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無改造ベビーローライに35mmフィルム12017年03月20日

クラシックカメラ好きは、
自分の愛機を「貴婦人」と呼ぶことが多いようですが、
本当にその名にふさわしいと私が思うのが、
次の写真の二眼レフ" ベビーローライ Baby Rollei "です。
ベビーローライ
127フィルムという今ではレアなフィルムを使い、
4x4cmの真四角な写真が撮れます。
この規格の二眼レフは、
60年ほど前に何種類か発売されたものの、
実用性の低さからすぐに廃れたそうです。
その実用性の低さも、現代においてカメラ遊びをするのには、
逆に魅力となっているのかも知れません。
そんな理由で、貴婦人を手に入れて遊んでみました。
Baby Rollei

まず最初は、通販で入手したフィルム(高い!)を入れ、
普通に撮影してみました。
02
貴婦人らしく、何かと扱いにくいカメラですが、綺麗に撮れます。
(問題点もありました → 後日のテーマ

このカメラは、ベスト判フィルム(127フィルム)を使います。
このベスト判のような「紙巻きフィルム」を使う場合、
当時一般的な機種では、裏蓋の赤窓を覗きながら巻き上げ、
赤窓に表示される数字でフィルムのコマ数を確認するのが普通でした。
私の使っていたフジペットもそうでした。
赤窓
ところが、ローライフレックスのシリーズでは、
フィルムの厚みを感知して、すべて自動でカウントするそうです。
いわゆる「フルオートマット」と言われる機能です。
試しに、フィルムを取り除いた遮光紙だけをスプールに巻きつけ、
正規のフィルムを装填した時と同様に操作してみました。
巻き上げノブを回せば遮光紙は送られるのですが、
確かにカウンターは「0」から頑として進みませんでした。
03
「フィルム入ってないじゃないの!」と仰っているわけです。
なかなか賢い貴婦人です。

この自動カウンターの仕組みを調べてみました。
その機構は、裏蓋を開けると案外簡単に分かっちゃいました。
次の写真の赤矢印の突起が、メインの役割を担っているようです。
04
後日入手した使用説明書でも、この突起の名称は
"Automatic film feeler mechanism" とされていました。

とすれば、貴婦人のこのメカニズムを「騙すと」どうなるでしょう?
次の実験をしました。
使用済みフィルムの遮光紙を用意し、
元々のフィルムが貼られていた、その開始位置に、
次のように現像済みフィルムの切れ端を貼り付けました。
05
この写真の白矢印部には、
遮蔽紙に貼られたフィルムの厚み分の「段差」があります。
この段差が先ほどの突起を「蹴飛ばし」、
その結果フルオートマットのメカニズムが働き始めるはずです。
まず、スタートマークを合わせ、
06
カンターの「0」を確認して、
07
巻き上げノブを回していくと、途中で「カチャリ」と音がしました。
多分、突起が蹴飛ばされた音でしょう。
そこからは、次のようにカウンターが進み始め、
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窓に「1」が現れてきました。
09
「1」になったところで裏蓋を開けてみると、次のように
10
確かに一枚目の位置まで送られていました。

再度この手順にて一枚目まで送った後、
今度はシャッターチャージとリリースを繰り返しました。
すると正常にカウンターが進み始め、「--- 6・7・8 ---」を経由して、
最後の「12」まで到達しました。
12
ここで裏蓋を開けると、
13
目論見通り「12」のコマ表示が現れていました。
ということは、
初めの部分だけフィルムを貼り付けた偽フィルムを使って、
カメラを騙すことに成功したことになります。

続く

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