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ベビーローライ用127フィルム製作(1)2017年05月01日

前回)からの続きです。

ブローニーフィルムから127フィルムを自作する方法として、
一般的に知られているのは中判カメラの流用です。
中判カメラにブローニーフィルムを装填し、
そこにフィルムカット用の刃を何らかの仕組みで突き立てて、
そのまま普通に巻き上げていくと切り出されるというものです。
その切り出したフィルムを、
127用のスプールに遮光紙と共に巻き込めば出来上がりです。
しかし、途中の作業はダークバックの中で行うので、
「指先切った!」とか血まみれの作業になったりします。

私はこの作業を次の道具を使って行うことにしました。
127フィルムの製作
マミヤ645用のフィルム中枠です。
この中枠、普通には一個あれば十分なのですが、
ジャンクカメラに手を出していると、
こういうものが必要以上に集まってしまうのです。
その一つを潰すと上手く行きそうな気がしました。

まず切出し寸法を次のように設定しました。
ブローニーフィルムから、
127フィルムと同時に16mmフィルムも作ってしまおう、
というちょっと欲張りな、でも、割合一般的な方式です。
ベスト判127フィルム製作寸法図
設計図では、ベスト判127フィルムの大きさを、グレーで表しています。
黄色と緑は16mmフィルム二本分を表しています。
127フィルムとして使用する部分の残りは15〜16mm幅となるので、
その残り部分の総長さ826mmを二等分して、
半分の長さの413mmにすれば、
かつて市販されていた16mmフィルムの長さ450mmに近いという訳です。

なお、この設計をする前に、
市販のフィルム各種を実測し、次の寸法を得ています。
フィルム幅(カッコ内は遮光紙幅)x フィルムのみの長さ、を示します。
・ブローニー120フィルム:61mm(63mm)x 826mm
・ベスト判127フィルム :46mm(47mm)x 637mm
・16mmフィルム:15〜16mmx 450mm

作り方の手順の概略を以下に記します。
まず「切り出し機」を作ります。
上記設計図に基づいて、ダミーの遮光紙に切り分け位置をケガきます。
03
ここに切り分け用の刃が立つことになるので、
645用のフィルム中枠の裏板(フィルム圧板)に溝を作ります。
電動ルーターを使用しました。
04
中枠をフィルムマガジンにセットした状態を、
外側(カメラ本体側)から見ると次のようになります。
(遮光板は外してあります)
05
「溝」とそこに入り込む「刃」が写っているでしょう。
この刃としては、安全剃刀の一部を使いました。
そして、645カメラの撮影枠に嵌る大きさのボードを別途用意して、
そのボードにカミソリの刃を埋め込み、瞬間接着剤で固定しました。
埋め込み位置は設計図から算出しました。

カミソリ付きのボードを撮影枠に嵌め込み、
その状態をマガジンの外側から見ると、次のようになります。
06
刃がボードの外側にも飛び出していて危険ですね。
それで少し厚めのスチレンペーパーを外側に貼って、
次のように刃の露出を防ぎました。
07
ここで、フィルムマガジンの内側を見ると、
中枠を入れる前は次のような状態です。
08
鋭利な刃が見えているでしょう。
ここに、ブローニーフィルムを装填した中枠を
09
パチンと嵌め込むと次の状態になります。
10
ここから先はダークバックの中の作業となりますが、
刃は完全に隠れていますので危険はありません。
この写真のとおり、手探りで巻き上げノブを回していけば、
フィルムは次のように切り分けられていきます。
(テスト用のフィルムを、途中でダークバックから取り出して撮っています)
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この写真ではちょっと分かりにくいので次に拡大してみました。
12
切り口が分からないくらい、実に鋭利に切れているでしょう?
フィルム側から見ても、
13
気持ち良いくらい綺麗な切り口でした。
「127フィルム切出し作戦大成功!」の予感です。

続く