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RICOHFLEXでリコーキン2019年04月04日

RICOHFLEXでセミ判」にて、
ブローニーフィルムによるセミ判撮影が可能となったリコーフレックス 、
調べてみると、面白いことに35mmフィルムも使えるそうです。

ローライフレックスで35mmフィルムを使うためのアダプターがあり、
それを「ローライキン」と呼びますが、その真似ですね。
だから、こちらの名前は「リコーキン」。
英語名は " Ricohflex Color Back " です。
どんなものか手に入れて遊んで見たいですね。
でも、当然レアもの、入手はかなり困難でした。
それでも、いつものようにebayに網を張っていたところ、出てきました。
" Rare Ricohflex Color Back, For Ricoh TLR Camera , Complete "
00
これが商品写真。完動品だそうです。
早速発注し、しばらくして到着。
01
蓋を開けて商品を確認してみると、次の通りでした。
02リコーキン
商品写真には写っていなかった「パトローネ」も付いていてラッキー!
Completeの説明通り、欠損品はなさそうです。
(どういう商品なのか良く知らないので、この時点では確証なし)

本体をまず手に取り、確認して見ました。
03
35mm機で見慣れたスプロケットの歯が見えていますね。
巻き上げノブを回すと、それに連動してスプロケットが回転し、
一定量のフィルムが送られるのでしょう。
と思い、写真右端の軸を指で回してみると、何か変。
手応え無し、空回りしちゃいます。
あれれ、何か操作方法が違うのかな?
それで、本体を手に持ち、四方から眺めようとしてみると、
何やら「カラカラ」という音が内部からします。
「あれ?部品が外れているのかな」と思い、蓋を開けてみると、
04
「アチャー!」何か歯車の回転軸のようなものが転がっていました。
「Complete どころか壊れているじゃないか!」と深く落胆。
歯車の軸が破損しているとなると、
かなりの力を受ける部位ですから、修理不能の可能性が高いです。
それでも一見したところ、
歯車は全部所定の位置に備わっているように見えます。
しつこく更に良く観察してみると、
巻き上げノブに連動する軸にダボ穴っぽいのがありました。
「これかも!」
と期待して差し込んでみると、ぴったり。
05
巻き上げ軸と、その外側の外筒を連動させるピンが、
何かの拍子で外れたのですね。
ピンを差し込むと、今度はそれらしく動作するようになりました。

そこで、フイルムの巻止め機構の確認。
35mmフィルムを正しく使うためには、
規定の長さずつ送らなければならないはず。
どういう工夫でそれを実現しているのか興味がありました。
06
この写真で一番右の巻き上げ軸を回すと、
連結された一連の歯車が回転し、
左端の歯車に取り付けられたスプロケットも回転し、
スプロケットの歯により、フィルムが送られます。
その過程で、
巻き上げ軸の隣の歯車に取り付けられた「停止ピン(巻止めピン)」が、
左回りに回転します。
そしてストッパー金具に突き当たり、次の状態になります。
07
これが一コマ分を巻き上げた時の状態で、これ以上回せません。
ここで(撮影後)、巻き上げノブを引き上げてやると、
ストッパー金具が上に持ち上げられ、
巻止めピンの掛かりが外れます。
この状態が次の写真です。
08
そしてここからピンが再び回りだすと、線ばねの力でストッパーが下に降り、
ピンが一周してきたら、これを受け止めてそれ以上回らないようにします。
なかなか良くできた機構です。
この機構を動作させるための巻き上げノブは、
次のような既存のノブでも可能といえば可能です。
09
しかし、これを次のリコーキン付属のノブに替えると、
撮影枚数の確認が可能になります。
10
ここに写っているように、ノブには[1]〜[40]の数字が記されていて、
一コマ分巻き上げると数字が一つ進みます。
つまり、一コマ分を巻き上げるための回転角度が、
(360-360/40)=351度 なのですね。
だから、本体のどこかに、
この写真に写っているような三角マークを刻み、
そこに数字の[1]を合わせれば、その後、巻き上げるごとに、
撮影枚数が1枚分ずつ進み、それを確認できることになります。

次の写真は、撮影用のフィルムをセットしたリコーキンと、
通常のブローニー撮影に使う中枠です。
11
このようにリコーキンの上下のフィルム室に、
空パトローネと、撮影前のフィルムが入ったパトローネを収めます。
そして、カメラの既存の中枠を外し、
リコーキンを納めたのが次の状態です。
12

たまたま、この商品にはプラスチックの空パトローネが付いていましたが、
それが無くても、使用済みの普通のパトローネで代用可能です。
ただし、パトローネの蓋を栓抜き等で外す時は、注意が必要です。
13
外周に少しずつ、均等に力を加えて外さないと、
蓋が次のように変形して光漏れの恐れが生じるからです。
14

また、35mmフィルム用のファインダー撮影枠は、
RicohFlexに標準で備わっています。
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この中心の縦長の長方形がそれですね。
先日修理した「Super Ricohflex」にリコーキンを装着し、
近々「試写」してみたいと思います。
(2019.04.08追記)
試写しました「リコーキンで目白の桜を試写」。

コメント

_ SHIGETA ― 2019年08月15日 10:14

初めまして。最近リコーフレックスを手に入れた者です。
手にしてすぐ、あれれ?って思っていたんですよね。
付属の革ケースの「巻き上げノブが出る穴」のところに「↓35mm」と書いてあったので、「そういうアダプターが当時有ったんだろうなぁ・・・。」と思っていたら、やはりそうでしたか!
とても素晴らしい記事です。とても分かりやすい。
また、説明写真も綺麗で、これまたとても分かりやすかったです。
良いものを見せていただきました。感謝です。
自分が思っていたより、結構、凝った作りのモノだったんですね。
僕も、35mm版アダプターが当時オプションで有ったとして、それが、フィルムを一コマづつどうやって送る構造になっていたのか、不思議に思っていました。
これまたスッキリしました。 ありがとうございます!
それでは。 これからも楽しい記事、期待しています。

_ タフちゃん ― 2019年08月16日 00:31

SHIGETAさん、こんにちは!
リコーフレックスって面白いカメラですよね。色々なバージョンがあって、何か戦後のカメラ好き技術者の原点を見るような気がします。
それと、カメラケースの「↓35mm」表示の件、私の革ケースにも付いていることを、実は、今日はじめて知りました。リコーフレックス入手直後からケースは別にしまい込んだままでした。ところが、SHIGETAさんのコメントを見て、自分のケースも一応確認して見たところ、その表示があることに気付いたわけです。教えていただき、ありがとうございました。

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