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二つの " Super " な " RicohFlex " ― 2019年08月03日
数ヶ月前に、
二眼レフ「Super_RICOHFLEXの修理」に勤しんでいた頃、
もう一つの「スーパー」な「リコーフレックス 」を見つけました。
次の写真の左側にある、" リコースーパー Ricoh Super44 " です。
4x4cmのベスト判127フィルムを使用する小型二眼レフですね。
ジャンク品で安かったので、とりあえず購入して見ました。
年代的には6x6cmのブローニーサイズの
「スーパー リコーフレックス」の発売の方が先です。
リコーイメージングののHPによれば " Super Ricohflex " は、
輸出専用モデルとして1956年に発売されたそうです。
その翌年の1957年、ローライから小型二眼レフの、
ベビーローライが発売され、これが人気になると、
1958年には日本のカメラメーカーもこのタイプに参入しました。
ヤシカ44、プリモJR、そして今回取り上げるリコー スーパー44 です。
この " リコースーパー Ricoh Super44 " は、
同じリコーの製品のせいか次のように、
Super_RICOHFLEX用のフードが使い回せたりします。
何となく調和している感じです。
それはともかく、この中古のジャンク品には、
前のオーナーからの「お手紙?」がついていました。
今から27年前の1992年に、
シャッターが作動不良であったため分解掃除を行なった、
その時の「カメラ修理票」です。
費用は8,000円、宛先は「中村カメラ様」となっています。
多分、カメラの所有者が、家の近くの写真店「中村カメラ」を通じて、
リコーカメラに修理を依頼した時の書類と思われます。
そして「モリタ」さんの検印がありますから、
その時点では正常に作動するようになったはずです。
しかし、それも四半世紀前のこと、
私が入手時にチェックして見ると、当然というべきか作動不良でした。
低速シャッターがものすごく粘るのです。
それでも、この当時の国産二眼レフのシャッターは単純な機構です。
次の写真で左から、
チャージレバー、速度切り替えレバー、シャッターボタンです。
特にシャッターチャージがフィルム巻き上げと連動していないこのカメラは、
分解も容易で、シャッターのみの掃除で正常に戻る可能性が高いです。
そんなわけで、
「いずれ掃除して完動品になってから使ってみよう」と思っていました。
そして、何かと忙しい日々が続いたため数ヶ月が経過し、
先日、手にとって何となくシャッターを切って見ると、
あら不思議、低速から高速まで、ほぼ正常に切れるではありませんか。
保管していた棚に不思議な治癒力があったのかも知れません。
ところで、このカメラ、レンズとシャッター以外はただの箱です。
他に故障しそうな箇所はありません。
しかも幸いなことに、レンズに致命的なカビや汚れはなさそうです。
ファインダーには、当然ほこりや汚れがありますが、
「写りには関係ない」と、気にしなければ良いだけのこと。
Ricoh_Super44の試写 ― 2019年08月12日
(前回)からの続きです。
試写には以前買った市販フィルムを使用しました。
こんな風に巻き取りを開始し、
三角マークが所定の位置まで進んだら、
蓋をしてロックします。
ロック機構はしっかりした造りです。
「リコーフレックス 」の初期タイプは、ロックが甘めで、
途中で裏蓋が半開きになってしまったことがあります。
この辺りの機構は少しずつ改良されていったのでしょう。
蓋を閉めてカウンターに[1]の数字が出るまで送りました。
ちょっと引っ掛かりを感じましたが、その時だけで、
その後は12枚目までスムースに送れ、撮影完了。
しかし、フィルムを現像するために、
ダークバックの中で作業をしている時に異変に気付きました。
フィルムの端部がシワシワになっていたのです。
「ありゃー!これはフィルムがどこかに突っかかって、
全然送られなかったかもしれないな。
そうだとすると、現像しても意味ないな。」
でも、暗袋の中で、どういう状況か良く分からないし、
「まあ、いい加減で良いから、とにかく現像だけはしてみよう。」
と思い、液温管理もせずに、10分ほど現像してみました。
これでフィルム全体が透明だったら、
フィルム送りに不具合があったことになります。
ところが、結果は次の通り。
確かに第一コマ部分は、シワシワになっていますが、
何がしか写っている様子。
ここから類推するに、
巻き上げ時に、フィルムの先頭部分が正常に送られず、
本体とローラーの隙間に落ち込んで、引っかかったようです。
再現すると次の状態ですね。
このシワシワ部分は、その後、後続のフィルムに押し出されるようにして進み、
2枚目以降は普通に撮影できたのでしょう。
原因は、フィルムの製作不良、と判断しました。
そういえば、現像前にダークバックの中で、
フィルムと裏紙を分離させる時におかしなことがありました。
普通は、次のようにフィルムの先頭は裏紙に「テープ止め」されています。
両者を一体化して、巻き上げ時に一緒に進むようにしてるのですね。
一方、フィルムを現像する時には裏紙は邪魔ですから、
現像前に、このテープ部分を剥がしたりちぎったりして、
フィルムを裏紙から分離させるのです。
ところが、今回はそのテープを剥がす作業をしないうちに、
フィルムと裏紙が自然に分かれてしまったことを思い出しました。
実際、現像後のフィルムと裏紙を確認すると、
テープ止めされた部分に残るはずの「貼り後」はありませんでした。
そんな風にフィルムの先頭が固定されていない状態であれば、
その端部は、容易に本体とローラーの隙間にハマり込んでしまいます。
結局、カメラ本体と、私の撮影方法に関しては問題はなかったのです。
「なーんだ、それだったらきちんと現像すれば良かったな」
と思っても後の祭り。
夏場の水道水の液温のまま現像液を作って現像したので、
明らかに処理時間オーバーで画像部分は、ほとんど真っ黒。
本来、現像液の温度を下げるか、早めに現像を切り上げるかすべきでした。
ところが、この吊り下げたフィルムをよく見ると、
左側の5mmほどは、濃度が薄めでなぜか適正露出っぽいです。
「あれ!?何でこんなことになっているのかな?」
この原因は、すぐに分かりました。
「そうだ、液量を間違えたんだ!」
現像タンクの裏側にフィルムごとの液量が指示されています。
これによれば、127フィルムの場合は「370ml」です。それなのに、
使い慣れた35mmフィルムの液量「290ml」で現像してしまったのです。
だから、きちんと液に浸かった部分はオーバーになり、
濡れる程度で現像の進行が遅かった部分は、
皮肉にも「適正な結果」になったのですね。
ということで、今回の試写は、
・Ricoh_Super44
をチェックするつもりが、
・フィルムの製造工程
・現像時の私の注意力
のチェックをしたことになりました。
撮影画像は、一応スキャンして、
コントラストなどをPC上で調整した結果、
次のように、ある程度見られるようにはなりました。
ただし、この二枚を見ると、
少し「後ピン」傾向のような気がします。
これは、また後日、
カメラの整備をする時にチェックするつもりです。
果たして、カメラのピント機構の問題か、
あるいは撮影者の注意力の問題か。
(終り)
なんちゃってDCC化 ― 2019年08月18日
昨年、アナログ運転用の「真鍮電車をDCC化」したことがありました。
そして最終的には、サウンド付きDCCデコーダを組み込み、
効果音なども鳴るまでに機能アップしました。
この電車はHOゲージ(縮尺1/80)規格で箱が大きかったので、
組み込むのに物理的困難はありませんでした。
その後、Nゲージ(縮尺1/150)の蒸気機関車(KATOのC12)を入手して、
これから蒸気音などが出たら更に楽しいだろうな、
それもやってみたいな、と思いました。
ところが、Nゲージの機関車のサイズはとても小さくて、
サウンド付きDCCデコーダは、とても組み込めません。
と、いちおう諦めてはいたものの、
何か面白い方法はないものかと、折に触れ考えた末、
遂に!
画期的な「方法」を思いつきました。
名付けて「なんちゃってDCC」。
原理は簡単です。
まず、DCCについて復習すると、
デコーダを組み込んだ機関車は次のような構造をしています。
この二つを合わせて、次のように少しばかり描き換えたものが、
「なんちゃってDCC」のシステム図です。
なんちゃってDCC続き ― 2019年08月23日
(前回)からの続きです。
アナログ走行用のNゲージ機関車に細工することなく、
「DCCサウンド付き」の走行を楽しめる魔法の箱ができあがりました。
この箱の中身を展開すると、次のようになります。
左半分は機関車の走る向きや速度を調節するための機器で、
「デコーダチェッカー」を流用しました。
この基盤左下の8Pソケットに、サウンド付きデコーダを装着し、
基盤からの出力ケーブルは、普通にレールに接続します。
右半分はアナログ電動ポイントを動作させるための機器で、
KATOのDS52というデコーダ(既製品)です。
出力ケーブルは電動ポイントに直結します。
そして、写真で手前側のケーブル(動力&制御信号)には、
『デジタルコントローラーからの出力線』を接続します。
こちらには、
主に機関車の動力(モーター)を回すための電力、及び
ポイントスイッチを作動させるための電力、そして
各種制御を行うための信号が含まれることになります。
と言うことは、水色の分岐ソケットから分岐した後、
左側に流れ込んだ分は、サウンド付きデコーダで信号が解析され、
適切な動力用電流となって、出力ケーブルに送られるようになります。
また、このデコーダは、効果音に関する指示信号も受け取って、
必要な電流を付属のスピーカーに流し、適切な音を発することになります。
右側に流れ込んだ分は、ポイント切り替え信号が含まれている場合に、
アナログ電動ポイントを作動させるための電流を出力します。
このDS52、写真では一本の出力ケーブルのみが装備されていますが、
能力的には二つのポイント用に、二本出すことが可能です。
ともかく上述の『デジタルコントローラーからの出力線』が源流なのですが、
この源流は、私の場合、次のどちらかです。
・有線リモコン(マルチマウス)+デジタルアンプの例
・iPhone(Z21 mobile)+ Z21デジタルセンターの例
いずれも「Roco_z21とiPhoneの設定」に載せた写真です。
この二つの写真上でレールに直結されているケーブル、
これが源流ですね。
今回の「なんちゃってDCC」では、このケーブルを、
「魔法の箱」の入力側に接続することになります。
とりあえず、z21を用いて一式組み上げてみるとこうなります。
何か頑張ってる手作り感が満載の写真ですね。
そう!DCCで効果音を鳴らすって言うのは大変なことなんです。
ただのアナログ運転を既製品で行うのであれば、
次のように非常にシンプルですから。
まあ、頑張った分、次のiPhoneアプリ「Z21 mobile」を使って、
機関車の走行や、効果音をワイヤレスで操作できるので、
これは快適で楽しいです。(ただし、前照灯など照明に関しては、
アナログのままですから、停車時の常点灯はできません)
また、「魔法の箱」にはKATOのDS52デコーダを装備したので、
必要であれば、次のように二つのポイントをiPhone上で操作できます。
なんちゃってDCC走行動画 ― 2019年08月26日
(前回)からの続きです。
前回作った「魔法の箱」をNゲージ線路のレイアウトに接続し、
「なんちゃってDCC」の本格運転を行うことにしました。
アナログ走行用機関車でありながら、
「DCCサウンド付き」機関車と同じ効果音を楽しめるはずです。
そしていよいよ発車。
シグナルやホイッスル、蒸気音などを発しながら走り出しました。
(終り)
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