▪️次のボックスに適当な文字列(複数可)を入力して、当ブログ内を検索できます ▪️下の目次タイトルをクリックするとテーマ別過去記事の目次へ飛びます
    ・目白の風景 今昔:目次
    ・吉祥寺の風景 今昔:目次
    ・昔と今の写真(番外編):目次
    ・地中海バブル旅行etc.:目次
    ・旅のつれづれ:目次
    ・母のアルバム:目次
    ・目白ジオラマ鉄道模型:目次
    ・すべてのカメラに名前がある:目次

ニコンS用レンズ→ライカMアダプター2019年12月05日

前回)からの続きです。

前回紹介した" Amedeo Adapter "、
α7シリーズ用の「LM-EA7」と組み合わせると、
ライカMマウントのレンズがオートフォーカスで使えました。
そして、実はそれ以上に興味を惹かれた特徴は、
フィルムライカの距離計にも連動するようになる、ということでした。
ニコンSのレンズがM型ライカで使えるの?
NikonSが採用したコンタックス方式の連動距離計は、
ライカ方式とは別物のはずですよね。

その謎を解き明かすために、
まずはM型ライカの連動距離計のお勉強。
(基本的にはL39スクリューマウントのバルナックライカも同じです)
次はM型ライカの日本製カメラとして評判の高い、
ミノルタCLE用の標準レンズ40mmの側面写真。
ニコンレンズをフィルムライカボデに
左側に少し見えているネジ山が、距離調節用のヘリコイドです。
そして、これは左側(ボディの奥側)に寄っている状態です。
次はヘリコイドを繰り出して近距離に焦点を合わせた状態。
02
ヘリコイドは右側に動いて、鏡胴の中に隠れています。
このように焦点調節の動作に連れてヘリコイドが移動し、
その動きがボディの「コロ」に伝わります。
コロとは次の写真中央の円筒形の部材ですね。
03
この方式を図式化したものがありました。
04
(出典:カメラレビュー別冊クラシックカメラ専科「ライカ型カメラ」
「レンジファインダーのメカニズム」金野剛志)

では、ニコンSの方式とどう違うのかというと、そんなに違いませんでした。
05
これはニコンS2のマウント部分を覗いた写真ですが、
中央奥に、同じようなコロが見えていますね。
これに接しているヘリコイドが前後すると、コロも同調し、
連動距離計にその動きが伝わる、という機構は全く同じです。
ただし、そのヘリコイドが、
レンズに付いているのがライカ方式
カメラに付いているのがニコン(コンタックス)方式なんですね。

そして、このライカMレンズのヘリコイドとバヨネット爪を、
NikonSボディのマウント部のみと合体させたものが、
次の写真下の「アメデオアダプター」なのでした。
06
この写真はアダプタの正面を見ていますが、
次のように側面から見るとヘリコイドのネジ切り部が見えます。
これはライカMレンズのヘリコイドと同じ形状ですね。
07

では、ニコンSの標準レンズを嵌めてみましょう。
08
次のようになります。Mマウントレンズに変貌です。
09
この写真は無限遠にピントを合わせた状態なので、
ヘリコイドが最奥まで行っています。
次はレンズ部分を回転させて、近くに焦点を合わせてみます。
10
鏡胴が右側へ繰り出された分、ヘリコイドが隠れています。
このように、レンズの回転に連れてヘリコイドが前後に動く量を、
ライカのそれと合わせているので、
M型ライカの連動距離計とうまい具合に連動するわけです。

こうして、ニコンS用レンズのうち、
「内爪方式」の標準レンズについては、
" Amedeo Adapter "と協調する原理が確認できました。
では「外爪方式」の広角・望遠レンズはどうでしょうか?
実は、外爪方式という分類は若干不正確で、
本来は「外爪内爪併用方式」と言ったほうが分かりやすいです。
というのは、外爪方式のレンズには、
ボディ側バヨネットの内爪(ということはヘリコイドとも)
と連動して回転する内爪も付いているのです。
次の写真がそうですね。
11
アメデオアダプタを嵌めて見ると次の状態です。
12
レンズとアダプタの内爪同士がしっかり噛み合っています。
これで、
レンズの距離環の回転
→レンズ内爪の回転
→マウントアダプタのヘリコイドの回転と前後の繰り出し
→コロの移動
→連動距離計の動作
の関連が理解できました。
次が「NIKKOR-P・C 1:2.5 f=10.5cm」にアメデオアダプターを装着して、
ニコンレンズをライカMマウントレンズに変貌させたところ。
13
オタク感、満載ですね。

続く

ミノルタCLE+ニコンS用レンズで撮影2019年12月09日

前回)からの続きです。

前回、" Amedeo Adapter " を用いて、
ニコンS用レンズの「NIKKOR-P・C 1:2.5 f=10.5cm」を、
ライカMマウント用の中望遠レンズに変貌させました。
ということは、何の違和感もなく、
私の " ミノルタ Minolta CLE " で使えるわけです。
ミノルタCLEとニコンSレンズ
試しにファインダーを覗いて見ると、
距離計との連動もバッチリでした。
市販の多くのアダプターは、
製作精度にアラウアンスを持たせるため、
ややオーバーインフ気味に仕上げるのが常識です。
ところが驚いたことに、このアメデオアダプターは、
アラウアンスが「完全にゼロ」でした。
レンズの距離環を無限遠に合わせると、
距離計の二重像もピッタリ一致!
そこまで調整しているとは、さすが手作り!です。

このカメラとレンズの組み合わせで、おとめ山周辺を Walk & Shoot 。
結果を現像して見るとこう。
02
さらに、スキャナーでMacに取り込んでピントの具合を見てみると、
OKそうです。
次の写真は、途中で撮影した日立目白クラブ工事中。
03
それから、冬場の公園の景色。
04

05弁天池

06
いかにも中望遠レンズの写り方ですね。
ところが、次の二枚はフレーミングに若干疑問ありでしょう?
07

08
何か被写体を中途半端に切り取っていますよね。
なぜこうなったかというと、
実はファインダーを覗いても、
写る範囲を正確に把握できなかったからです。

その理由。
これまで常用していたライカM用の中望遠レンズは、
次の「フォクトレンダー アポランター90mm/f3.5」です。
09
これは、元々バルナックライカのL39スクリューマウント用のレンズですが、
L39→Mへの変換アダプター
10
これをつけることによって、Mマウントレンズになるのです。
そして、この変換アダプターに(28-90)と記されている通り、
これをカメラに装着すると、
自動的に中望遠90mm相当のフレーム枠が、
ファインダー内に表示されるのです。
次の写真の中央部に、4つのカギ型が見えているでしょう。
実際にフィルムに記録されるのは、この狭い範囲の風景だけなんです。
11
ところが、アメデオアダプターには、
さすがに、レンズの焦点距離をボディに伝達する機能はありません。
まあ、装着するレンズは、その時々でまちまちだから当然ですね。
その結果、今回のNikkor 10.5cmレンズを装着しても、
次のように普段通り、広角28mmと標準40mmのフレームしか現れません。
12

実は、非常に用心深い私にとって、
この事態はアダプター購入前に想定していたことでした。
だから、今回の試写の前に、
次の中望遠用ビューファインダーを誂えていたのでした。
13
写真中央の「Canon 100」と書かれているのがそれですね。
それなのに、今回、試写に連れて行くのを忘れてしまったのです。
というのは、このこれまでの " Walk & Shoot " では、
特に、別途ビューファインダーを用意しなくても済んでたからです。

というわけで、次回の試写では、次の装備で出かけなければ。
14
何となく「従軍カメラマン」のような物々しさですね。

(終り)

PentaxSVに引伸し機用レンズ2019年12月16日


PentaxSVとEL-Nikkor
各種レンズアダプターで遊んでいるうちに、
6年前に修理したフィルムカメラの「PentaxSV」に、
引伸し機用レンズの「EL-Nikkor 1:4 75mm」を装着して、
撮影できることを発見しました。

7年前にオリンパスPEN E-P3にて使用した
BORGアダプター」の再利用です。
02
この時は、次のような組み合わせで撮影していました。
今考えると、高価でものすごく贅沢な組み合わせです。(ほとんどバカ)
再更新
今回はそのうち、次のものを使用してみました。
これで、M42マウントのカメラでピント合わせができるのです。
04
若干オーバーインフ気味になりますので、
ヘリコイドを1〜2mm繰り出してやると、無限遠にピントが来ます。
最短では3mほどまで近づけます。
露出計とフードを装備して臨戦態勢を整えました。
05
うまい具合に二眼レフ「Ricoh FLEX」の被せ式フードがピッタリでした。
手持ちの機材だけでも、工夫すれば色々遊べるものですね。

フィルムを詰めて、早速、目白のイチョウを撮影に。
そして現像。
06
なかなか良さげ!

明治通りのイチョウが丁度見頃でした。
07
千登世橋の上では、
「都電とイチョウ」に挑戦しているカメラマンが多数。
08
目白不動金乗院の敷地にも、敷き詰められたような落ち葉。
09
鬼子母神のイチョウも、もちろん見頃。
午後の日差しがイチョウを美しく見せていました。
10

11

続く

6年前の明治通りの風景2019年12月18日

前回)からの続きです。

「PentaxSV」+「EL-Nikkor 1:4 75mm」という、
普通ではあり得ない組み合わせで撮影した中の一コマに、
次の風景がありました。
明治通り千登世橋方面
明治通りを、学習院下付近の歩道橋から撮影したものです。

同じ「PentaxSV」に標準レンズ「55mm 1:1.8」をつけて、
6年前に撮影した次のものと比較してみましょう。
2013年2月

それぞれ、12月と2月の写真なので、
イチョウの葉の様子が違うのは当然として、
それ以外の一番大きな違いは、正面の超高層ビルが、
サンシャイン60から豊島区役所(マンション併設)に変わったことです。
(サンシャイン60は消えたわけではなく、後ろに隠れています)
また、道路左側のイチョウが伐採され、
歩道が中学校の敷地側に拡幅されていることも目立ちます。

この道路の現状は「環状第5の1号線」事業による仮の姿で、
数年後には、ここの風景は大変貌を遂げるはずです。
(道路中央部の二車線が掘割形式になるそうです)
に記しました。
そうなることが決まっているなら、
その姿を早くみてみたいですね。
そして、その新しい風景を、今度はどんなカメラで撮影することになるのか、
今からちょっと楽しみです。

ちなみに、完成イメージが東京都建設局のHPに載っていました。
完成イメージ
区役所の裏に隠れたはずのサンシャイン60が、
再度立派な姿を見せています。
本当にこの通りの風景にするなら、
豊島区役所の超高層ビルを、解体撤去しなければなりません。
笑える。

掘割部の断面図は次の通り
断面図

続く

EL-Nikkorでオートフォーカス2019年12月31日

前回)からの続きです。

前回取り上げた「PentaxSV」+「EL-Nikkor 1:4 75mm」は、
EL-Nikkorでオートフォーカス
ここに写っているアダプターを介して組み合わせた場合、
ヘリコイド繰り出し量にして約1〜2mm分のオーバーインフでした。
これを言い換えれば、レンズとフィルム面の離隔距離がもう少し大きくても、
無限遠にピントを合わせることが可能と言うことですね。

一方、一眼レフカメラのフランジバックについて調べてみると、
02
・写真左:ペンタックスSV(M42)が、45.5mmに対して、
・写真右:ニコンF2は、46.5mmとわずか「1mm」長いだけです。
ということは、
前回のオーバーインフ約1〜2mm分が生きてきます。
「ニコンF2」と、前回の「組み合わせレンズ」との間に、
何かその程度の厚みのものを挟み込んでも、
無限遠にピントが来るわけです。

そこに期待して、M42→Nikon_F のアダプターを買ってみました。
『Pixco マウントアダプター M42レンズ-Nikon カメラボディー対応』
という商品です。
当然中国製の格安品、送料込みの 619円でした。
03

04
厚みは約1mm。
挟み込むのにちょうど良いアダプターのはずです。

今回は、ニコンF2のボディに対してではなく、
一足飛びに「Sonyα7II」に装着してしまいました。
それでも、特に難しいことはなく、
・Nikon F → Leica M
・Leica M → NEX
を余分につけるだけですね。
すなわち、次の写真の左側の二つを付け足しただけです。
05

全部組み合わせたのが次の状態。
06
何か寸詰まりの恐竜のような形ですが、
これが、「AF仕様に変貌したNikkor引伸しレンズ」の姿です。
カメラに装着するとこう。
07
ほんの僅かヘリコイドを繰り出してあげると、
無限遠が出ました。
想定通りです。
その状態で、あとはノータッチ、
完璧なオートフォーカスができました。

絞りをF5.6に設定し、あとは全てAutoで撮った実写例。
・明治通りの銀杏並木
08

・日出優良商店会の居酒屋
09

・同じく蕎麦屋「あさひ」(ここで昼食)
10

・公園のキャッチボール
11

・出来立てホヤホヤの「イケバス」
12

・イケバスに再度遭遇
13

最後の一枚が動体ボケしていますが、
それ以外は、キレキレの写りです。
「EL-Nikkor 1:4 75mm」は、
もともと6x6フィルム用の引伸しレンズなので、
普通のフルサイズイメージに対しては余裕ありすぎなくらいです。

ちなみに、この状態のExifは次のように記録されていました。
14
このうち注意しなければいけない点は、次のとおり。
・露光量は実絞り(今回はf/5.6)に関係なくf/2.0と表記されてしまう。
・レンズ焦点距離はLM-EA7での任意の設定値が記録される。
 この設定値によりボディ内手ブレ補正が働くので、一応設定してみた。
 ただし、75mmという選択肢は無いので、それに近い90mmを選択した。
・レンズ名はなぜかこのように表記された(LM-EA7とすれば良いのに?)
まあ、撮影記録として何かの役に立つとしたら、
シャッタースピードとISO値、でしょうか。

続く