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遺品のOLYMPUS PEN-FT ― 2020年04月12日
以前、親類の男性の遺品である「キャノン Canon_P型」カメラを
修理したことがありました。
(「形見のカメラで撮る風景は(1)」参照)
今度は、その「オリンパス Olympus PEN+FT」版です。
もう数ヶ月前のこと、お世話になった知人の御宅に伺いました。
用件は、その半月ほど前に亡くなられた知人の遺品整理を、
関係者数名で手伝うことでした。
故人の奥様と「これは、もう使えないかな〜」などと言いながら、
様々なものを選り分けて行きました。
そんな作業がほぼ終了しかかった頃、
「そう、古いカメラが二、三台あったのよ」と言って、
家の奥に向かわれた奥様。
ここまでは、多くの家で繰り返される光景と思います。
フィルムカメラが普及し始めた数十年前は、
家族の記録を残すためのカメラが、どこの家にもありました。
でも、デジタルカメラの性能が上がり、かつ低価格になるにつれ、
昔のフィルムカメラが使われることはなくなりました。
とはいえ、ゴミ箱にポイ!と捨てるほどの安物ではなく、
いつの間にか、引き出しの奥に死蔵されることになるのですね。
そんな風にして、久しぶりに陽の当たる場所に出てくるカメラは、
キャノネット・ハイマチック・ピッカリコニカ・オートボーイなど、
安くて使いやすい普及機のことが多いです。
「たくさん売れたんだねー」と実感させられます。
そして残念なことに、昔に良く売れたカメラは稀少性がなく、
今では無価値になってしまうのです。
今回も、一台はミノルタのコンパクトAF機。即ゴミ箱行きでした。
もう一台は、ちょっと厚みのあるケースに入っていました。
レンズ部分が出っ張ったケースなので、
普通のコンパクトカメラではなさそうです。
ちょっと心が騒ぎました。
そして、ケースから出てきたのは、少しくすんだPEN-FT。
「そう、丸い筒もあったのよ」とおっしゃって、
奥様が追加で持ってこられたのは、当然ながら交換レンズ。
私は、遺品整理の手伝い人のつもりだったのに、
急にビンテージカメラの買取人になっちゃいました。
しかし、奥様は金銭の受け取りは固辞され、
と言っても、私も無償でいただくわけにも行かず、
結局、永遠にPEN-FTを保管する管理者と自認することにしました。
管理者の役目は、とりあえず清掃。
そして機能チェック。
光学系に汚れ・クモリが見られるものの、
シャッターは普通に変速しているし、ピントも合わせられるし、
致命的なダメージはなさそうです。
ということで、いずれ分解清掃することになるにしても、
この時点の写りを確認してみることにしました。
装着するレンズは、汚れが少なく比較的クリアな " ZUIKO.70mm f2 "
私好みの中望遠レンズです。
試写して現像後のフィルム。OKそう。
スキャンした中から数枚を載せます。
(続く)
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