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ベビーローライ用127フィルム製作(2)2017年05月07日

前回)からの続きです。

「127フィルム切出し大成功!」のつもりが、大失敗でした。
切り出したフィルムを遮光紙と共にスプールに巻き付けようとしたら、
「何かきつい! でも、無理やり巻いちゃえ!」
と、途中まで頑張ったものの、あまりの感触の悪さにギブアップ。
フィルム救出は諦めて、ダークバックから取り出し観察してみたら、
フィルムのサイドが次のようにギザギザになっていました。
スプールの内側に無理やり押し込んだので変形したのですね。
127フィルム製作失敗!
同時に作製されるはずの16mmフィルムも、
その幅を測ってみたら、14mmしかない。
結局、どういうことかというと、当初の目論見のフィルム幅46mmに対して、
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実際には47.0〜48.0mmになっていて、
遮光紙の幅も(ということはスプールの内法も)上回っていたのですね。
それでは巻けないはずです。

仕切りなおしです。
「切り出し機」の「刃」の位置を少し左側へずらしました。
刃が埋め込まれたボードは、
スチレンペーパーと共に両面テープでマガジンに貼り付いているだけなので、
これを剥がしてボードの端を少しカットすれば、簡単に貼り直しできます。
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そして再度切り出して、巻いてみると、今度はOKの感触。
フィルムの余りを使って予定通り16mmフィルムも二本作製。
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今度こそ!と思い、ベビーローライにフィルムを装填して、
巻き上げノブを回していくと、「あれ? 何か変??」
オートマットが利き始めるまで、こんなに回したかな?、という疑問が。
案の定、最初の4枚分は空送りされていました。
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ローライのオートマットは実に精妙にできているらしく、
ちょっとしたことで機能しなくなるんですね。
"Automatic film feeler mechanism" の
フィルム検知用突起(下の赤矢印)は本当に小さなものですから。
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ちなみに、この突起部からは少し光が漏れるらしく、
フィルムに痕跡を残します。
それを見て今回のトラブルの原因が分かったのです。
正常な場合は次のような痕跡になります。
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ところが今回のフィルムのうち、幅が狭いところでは、
痕跡が半分ほどしか付いていませんでした。
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つまり、フィルム始まり側の端部の幅が狭いと、
巻取り開始時に次のような状態になり、
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フィルム検知用の突起を十分には蹴飛ばせないのですね。
実際、この二回目のフィルムの幅を測定してみると、
44.0〜45.0mmしかありませんでした。

ということで、この二回の失敗をもとに、
127フィルムの幅について分かったことをまとめてみると、
次のようになります。

市販品:46mmに対して、
失敗1回目:47.0〜48.0mm → 127フィルムとして不適格
失敗2回目:44.0〜45.0mm → 一般には使えるがベビーローライには不適
次の3回目の目標値:45.0〜46.0mm

3度目の正直、
「切り出し機」の「刃」の位置を少し元に戻しました。
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結局、素人の手作業に誤差はつきものですから、
フィルム幅の最適寸法を得るためには、
二、三度の微調整が必要ということですね。

そして、今度こそ完成!!!!
カメラにフィルムを詰め、
ノブを回してオートマットの機能が働き始めることを確認し、
新宿御苑で試写しました。
現像すると、OKそう。
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12コマ、全部、写っていました。
フィルム幅も45.5〜46.0mmに収まっていたので上出来です。
12枚撮りのカメラで12枚撮れて、
当たり前のことなのに、こんな嬉しいなんて不思議ですね。
まあ、気難しい貴婦人のようなカメラが相手だから、しょうがないです。

画像を読み込んでみると、基本的には良い写りでした。
例えば、次の樹木(名称不明)など、悪くないでしょう?
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ところが........、なんです。
やっぱり時々、中央部に「部分ボケ発生!」
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私が、こんなに苦労して尽くしているのに、
ベビーローライの我儘と気難しさは、決して直らないみたいです。

続く

以下は蛇足です。
127フィルム製作について学習したことを、備忘録としてまとめてみたものです。

◼︎フィルム幅について
1.ブローニーからの切出し時に若干フィルムが蛇行し、
 約1mm程度の製作誤差が生じる。
2.フィルム現像時に私が使用しているリール(パターソン用)に
 最も巻取りやすいサイズは45mm。
 この理由から、フィルム幅の管理値は、45.0〜46.0mmとする。

◼︎作業環境について
製作作業の過程で色々な材料・道具が必要。
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切り出しは切り出し、スプールへの巻き込みは巻き込みと、
作業はできるだけ分割し、その都度、
必要な機材のみダークバックに入れると間違いを防げる。
作業途中でダークバックを開くとき、
フィルムは現像タンクなどに避難させる。
また、そのついでにダークバックの中を換気すること。
換気せずに作業を続けると、自分が発する湿気でフィルムがベトつき、
作業に支障をきたしたり、撮影結果に悪影響を及ぼす。

◼︎スプールへの巻き込みについて
フィルムの巻き終わり端部(撮影1枚目側)は、
遮光紙にしっかりテープ止めしなければならないが、
ダークバックの中で手探りで正しい位置に貼り付けるのは難しい。
その解決法として「35mmフィルム」で採用した方法が使える。
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すなわち、上の図に示すようなダミーフィルムを事前に貼り付けておき、
フィルムの巻き終わり端部を、その下にもぐりこませる。
そして念のためアバウトな位置に軽くテープで止めると良い。
こうするとダークバックの中の作業が簡便になると同時に、
フィルムとフィルム検知用突起との位置関係も正確になるので、
ベビーローライのオートマット機構を確実に作動させることができる。

◼︎余りで作る16mmフィルムのこと
この長さで何枚撮影可能か計算してみる。
かつて私が『ミノルタ16用フィルムの製作
に記した計算法で試算すると、
「ミノルタ16」での撮影枚数は約20枚となる。
 計算式:(フィルム長さ413mm ー リーダー部90mm)÷16mm=20.18枚
最後のから写し分2枚を除いて、約18枚と考えるのが妥当。
また、イメージサイズが拡大した「ミノルタ16QT」の場合は、
 計算式:(フィルム長さ413mm ー リーダー部90mm)÷19mm=17枚
となるので、同様にから写し分2枚を除くと、約15枚となる。