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RICOHFLEXの修理:ヘリコイド調整2019年03月03日

中古入手した " リコーフレックス RICOHFLEX "。
40〜50年前に購入していれば、当時の私の理想のカメラになったはず。
リコーフレックスの修理
現代でも、整備すれば、何とか理想的な状態になるでしょうか?
この中古品は、見かけはボロボロでも、致命傷はなさそうですので、
これから気の向くままに手入れしていこうと思います。
まずは、ピント合わせのためのヘリコイドに取り組みます。

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この個体のヘリコイドは、回ることは回るのですが、ものすごくきついです。
実際、この機種で一番多いトラブルが、ヘリコイドの固着のようです。
また、それを修理するためにはフォーカスリングを外す必要があり、
そのリングを固定しているイモネジを回さなければいけないのですが、
ネジの頭をナメてしまっている個体が多いようです。
そうなるとほとんどギブアップですね。
今回入手した個体は、イモネジはOKでした。

手始めに、ビューレンズの外周リングを外してみました。
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一応、現在の無限遠の位置に次のようにマーキングをしました。
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メンテ後に再度組み立てる時の目安になるからです。
テイクレンズも同様にマーキングします。
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固着したヘリコイドは簡単には回らないので、次のように
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KURE CRCの「シリコンルブスプレー」等をふいて放置した後、
外周リングを一旦戻し、イモネジで締め付けてから回すと少し楽です。
ヘリコイドを外す時は、丁度パカっと外れる位置があるので、
これもマーキングしておくと、次にはめる時の目安になります。
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外したら、
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ヘリコイドの内筒・外筒とも掃除して、
新しいグリースを塗布します。
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これで、とても快適な距離合わせができるようになりました。
ただし、最終組み上げまでにはピント調整が必要です。(後述予定)

続く

RICOHFLEXの修理:レンズ清掃2019年03月04日

前回)からの続きです。

ヘリコイドのグリス交換に合わせて、レンズも清掃しました。
リコーフレックスシリーズは、ビューレンズとテイクレンズ、
いずれも3群3枚構成で、両方足しても合計6枚しかないので、
全部掃除しても大したことありません。
まず、前板(レンズボード)を本体から外したところの内面側。
リコーフレックスの修理
ビューレンズの後玉の押さえリングを外すと、
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後玉が取り出せるので清掃します。
取り出した直後に、レンズの裏表を記録に残します。
次の写真は凸面の方が露出する側であることを記録したつもり。
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これを忘れると、どっちがどっちだか分からなくなり困ります。
そして、3枚を清掃後のビューレンズの視界。
クリアになりました。
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次はテイクレンズの清掃です。
前板裏側のリングを外すと、
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テイクレンズと絞り・シャッターユニットがまとめて外れます。
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こちらも押さえリングを外せば、
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後玉が取り出せますから、思う存分きれいにできます。
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そんな要領で各部清掃して、全てを元に戻したところ。
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きれいに写りそうな予感がします。

続く

RICOHFLEXの修理:ファインダー整備2019年03月06日

前回)からの続きです。

リコーフレックスを、ボディと前板とファインダーフードに分けました。
リコーフレックスの修理

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これは、ビューファインダー用ミラーです。
傷がたくさんありましたが、まだ使えそうです。
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清掃して、このように戻しました。

次はファインダースクリーンです。
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ガラス製スクリーンが一枚だけのシンプルな構成です。
押さえバネを外せばスクリーンが取り出せます。
ピント面(内側)は粗面仕上げになっています。
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ルーペ側(外側)は磨いてあります。
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石鹸液で清掃・乾燥後、この内外を間違わないようにして、
戻したのが次の状態。
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だいぶ綺麗になりました。
(でも格子状のガイド線をみると、上下逆さま!
 不注意で上下が非対称であることに気づきませんでした)
フードを装着して、覗いてみたところが次の写真。
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周辺は暗いものの、
中央はそれなりの画像で、ピント合わせは容易です。

RicohFlex以降、時代が下ると、
レフ機のファインダーはフレネルレンズを用いるのが普通になりました。
そこで、戯れに、この個体もフレネルレンズ化してみました。
使用するのは、拡大ルーペ用に市販されている「シートレンズ」。
ヨドバシなどでお安く手に入ります。
次の写真で、左がシートレンズ本体、右がそこから切り出したフレネルレンズ。
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ファインダースクリーンと同じ大きさに切り出しました。

フレネル化の工作を試みる人はたくさんいるようですが、
ここで私が工夫したのは、「中央部に穴を空ける」ことです。
中央部はフレネルなしでも十分明るく、ピント合わせに問題はないので、
フレネルレンズ面に同心円状に刻まれたラインはむしろ邪魔なのです。
その穴空けには、10mmの穴あけポンチを使いました。
レンズ中央にポンチをセロテープで仮止めして、エイ!と穴を開けます。
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出来上がったフレネルレンズを、ファインダースクリーンと合わせてから、
フード下面の所定の位置に戻します。
フレネルレンズの厚み分ビューレンズの光路長が長くなりますが、
どうせピント調整作業を行うので、問題ありません。
次が完成形。
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覗いてみるとこうです。
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周辺が、わずかに明るくなったかな?
明るさはともかく、中央に丸印があると、
「二眼レフファインダー!!」って感じになるでしょう?

続く

RICOHFLEXの修理:ピント調整2019年03月07日

前回)からの続きです。

" リコーフレックス RICOHFLEX " と同時代に製造されたカメラで、
やはりブリキ細工のものがありました。
" フジペット FUJIPET " ですね。
フジペットとリコーフレックス
小学生の私が初めて手にしたカメラです。
こちらは子供向けと割り切って、
・シャッターは単速
・絞りは、快晴・晴れ・曇り、の3種類
・レンズはピント調節不可(2m〜無限遠までの固定焦点)
でした。

これに比べればRicohFlexの仕様は随分と充実しています。
何と言っても二眼レフ、撮影用のレンズとは別に、
ピント確認用のレンズを備えているのですから。
ただし、その贅沢な仕様も、正しく調整されてこそです。
後年のダイキャストボディのカメラの場合、
正しく組み上げれば、その時点でソコソコのピント精度が出ます。
でも、リコーフレックスは、全体に自由度が高すぎる造りなので、
組み上げた後のピント調整が必須のカメラでした。

では、早速ピント調整の概要を記します。
まず、ビューレンズの光学系から攻めて生きます。
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こちらのファインダースクリーンの上に、
次のようなルーペ(10〜15倍程度)を乗せて、ピントチェックしました。
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見る対象としては、はるか遠方にある夜の超高層ビルがベストでした。
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建物上部に設置された航空障害灯の赤い光を狙います。
次の写真でヘリコイドの内筒を回しながら、
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「赤い光」がまさに「点」になるところが無限遠です。
期待通り、「ヘリコイド調整」の時のマーキングの位置と同じでした。
内筒をこの位置から動かさないようにして、フォーカスリングを嵌め、
次のように「∞」のマークを三角マークに合わせます。
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これで3本のイモネジを締めれば、ビューレンズの調整は完了です。

次はテイクレンズですが、ビューレンズと同じ方法で調整できるよう、
別途用意した適当なスクリーンを、フィルム面に仮設置します。
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そしてルーペで覗きます。
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調整作業中は、両手をできるだけフリーにするために、
スクリーンとルーペは次のようにセロテープで固定しておきます。
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ちなみにスクリーンは概ね何でも良いのですが、
いくつか試したところ、シンプルな「すりガラス」がベストでした。
リコーフレックスのファインダーに使われている次のガラスですね。
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このガラスを入手するために、
もう一台ジャンクのRicohFlexを買うのも良いアイデアと思います。
また、ピント調整の作業は、無限遠の位置を探りつつ、
ヘリコイド内筒を右に左に微妙に回転する作業です。
この作業中は、シャッターを開きっ放し(タイムT)にする必要があるので、
次のようなレリーズケーブルが必須です。
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これを使用しない場合は、
バルブBの状態でシャッターレバーを押さえ続けるのに片手を取られてしまい、
調整作業がとてもやりにくくなります。
そして、無限遠の位置にヘリコイド内筒が定まったら、
ビューレンズの場合と同様に、当初のマーキング位置を確認してみます。
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私の場合、これもヘリコイド調整の時のマーキング位置が再現されていました。
この事から、私が中古入手する以前の別オーナーの時代にも、
このカメラは正しくピント調整されていたことが推測されます。

テイクレンズ用のフォーカスリングを嵌めるときは、
二つのヘリコイドとも無限遠の位置に設置したまま、
ビューレンズのフォーカスリングギアと噛み合わせます。
噛み合わせる位置は360度、どの位置でも等価です。
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このようにしてRICOHFLEXの修理は全て完了しました。
いよいよ使い勝手と写り具合を試してみます。

続く

RICOHFLEXで試写2019年03月09日

前回)からの続きです。

修理の済んだ" リコーフレックス RICOHFLEX " で試写を行いました。
まず、フィルム中枠に120ブローニーフィルムをセットします。
リコーフレックスで撮影
スタートマークを赤点に合わせて裏蓋を閉め、
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赤窓(フィルムカウンター窓)に、
数字の [1] が出てくるまでフィルムを巻き上げれば準備完了。
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その後、手動でシャッターチャージを行い、シャッターを切ったら、
その度に、[2]・[3] と一枚分ずつ巻き上げていきます。
経験者には「何をいまさら」の手順ですね。
この手動方式は、面倒なようでいて、実は安全確実、一番信頼性の高い方法です。
何しろフィルム送りの機構に、メカニズムと呼べるほどのものがありませんから、
故障の心配が全くありません。

チャージ・撮影→巻き上げ→チャージ・撮影→巻き上げ
この手順をきちんと守れば、二重露光やカラ送りは防げます。
これで間違いなく12枚分の撮影ができるはずでした。
ところが!
世の中には落とし穴があるものですね。
2枚目の撮影の時に、カメラを抱えたら何か違和感がありました。
そしてカメラを見たら、次のような状態だったのです。(再現映像)
05
裏蓋のロック機構が何かの拍子に外れて、裏蓋が浮き上がっていたのでした。
慌てて閉めて、撮影を続けたものの数枚分はオシャカになるのを覚悟しました。
そして現像後のフィルムを見たら、次のようになっていました。
06改
中央の一枚の左右両端がカブっているでしょう?
でも、このコマの前後の画像には影響ありませんでした。
不幸中の幸いとも言えますね。。
他のコマは次のように健全っぽいです。
07
「これは試写成功だな!」と満足感に満ち溢れる瞬間です。

実際に写っていた風景を、二、三枚ピックアップしてみます。
今回の修理では「ピント調整」に多くの労力を費やしたので、
その辺を重点的にチェックしたいと思います。
まず、近距離に焦点を合わせた一枚。
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看板にピントが合い背景が綺麗にボケていますね。
ファインダースクリーン面の画像と、
フィルム面の画像が、完全に一致したと言えます。
また、遠距離に焦点を合わせた一枚が次です。
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高層建物にピントが来て、右手前の柱状の設備機器はボケているでしょう?
これもOKですね。
最後に、レンズの性能チェックです。
次の写真はネットフェンスとカーブミラーにピントを合わせて見ました。
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狙い通りの位置にピントが来ているのはもちろん、
その部分の解像力もたいしたものです。
中央部を拡大してみたのが次の画像。
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しっかり解像しています。
60年前のブリキ製カメラも、バカにできない写りですよ。

(終り)