▪️次のボックスに適当な文字列(複数可)を入力して、当ブログ内を検索できます ▪️下の目次タイトルをクリックするとテーマ別過去記事の目次へ飛びます
    ・目白の風景 今昔:目次
    ・吉祥寺の風景 今昔:目次
    ・昔と今の写真(番外編):目次
    ・地中海バブル旅行etc.:目次
    ・旅のつれづれ:目次
    ・母のアルバム:目次
    ・目白ジオラマ鉄道模型:目次
    ・すべてのカメラに名前がある:目次

目白銀座のタタミ屋さん2012年10月11日

上り屋敷からおとめ山まで撮影散歩に出かけた時の写真に、畳屋さんを撮ったものがありました。店の奥での作業風景に心惹かれるものがあったのでしょう、思わずカメラを構えた私もシルエットで写っています。
1974年のタタミ屋さん
どこで撮影したか思い出せず、また、そのたたずまいから住宅地の作業場と思い込んだため、昔の住宅地図を調べても撮影場所を特定できませんでした。そうなると、何とかこの場所の現在の姿を見てみたいという気持ちが更に募りました。

そして数ヶ月、ほとんど諦めていたのですが、先日「まてよ。昔は目白通り沿いにもこんな風情を残したお店が結構あったよな」と気がついて、当時の住宅地図の目白通り沿いの建物名をルーペで見ること約30分、ついに「小沼タタミ店」という米粒のような文字を見つけました。
でも、この段階ではまだ喜べません。別のお店かもしれないし、探している場所であっても、何せ約40年前のことですから、証拠となりそうな特徴が全て消えている可能性もあります。

そして翌日、写真を手に現地確認に行きました。まるで、残留孤児との面会に向かう肉親のような気分です。
結果、ありました。そのままの姿で。
建物の右手小壁に付いたテント開閉用のクランクハンドルが決め手になりました。
店の中に入り、声を掛けさせてもらうと、障子を開けて若奥様が出てらっしゃいました。
事情を話すと、写真をご覧になって、「初代の義祖父です。よくこんな写真がありましたね」と驚かれました。この写真が撮影された1974年にはまだ一才だった御主人が、今は三代目として店を継がれているそうです。この日は別の作業所で仕事をされているとの事でした。
2012年の店先
見つけた記念に写真を撮らせてもらいました。丁度、雲の隙間から陽が射して来たので、自分のシルエットも写し込んでみました。38年ぶりのセルフポートレートです。

店先には販促パンフレットなども沢山置いてあり商売順調とお見受けしました。
関東製畳有限会社小沼畳店というセンスの良いHPも開設されていて広範に活躍されている事がわかりました。

せっかくですので、この界隈(目白銀座というらしい)を観察しました。
街並が次第に変わりつつある事が分かります。
畳店を起点に西方向の住宅地図記載の文字を、現況と比較すると下のようになります。

・小沼タタミ店 → 小沼畳店(変わらず)
・工藤花店   → 一年ほど前に閉店
・目白とりはち → 鳥八(変わらず)
・佐々木小鳥 → かてい菜園 ささ木(業種変更かな?)
・レストラン安川    ー+
・スターライトコーヒー  +ー→ 三軒分まとめてビル開発中(下の写真)
・松ヤソバ        ー+

工事中のビル
この工事中の建物は、来年の1月末には10階建てのビルとして完成し、事務所とワンルームマンションになるそうです。
私としては、「目白銀座」と呼ばれる何となくアナクロで郷愁感漂う界隈の「スターライトコーヒー」なる喫茶店で「モカコーヒー」でも飲んでみたかったので、ちょっと残念です。