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美貌の叔母の『記憶』に着色2014年11月12日

母の遺したアルバムには、当然ながら、先に亡くなった父の写真も含まれていました。
そして、その中には父の幼い頃の写真もありました。
100年前の家族写真
これは、父とその妹たち4人+その他の方数名による記念写真のようです。
撮影されたのは、今から約98年前の1916年(大正5年)頃と思います。

「ようです」と書いたのは、この写真について語れる人が誰もいないからです。
写真前列左端の幼女が私の叔母様Y子さん(多分)で、
この五人の兄妹の中では一番最後まで生きておられたのですが、
16年前の1998年に亡くなってしまいました。

美貌の叔母様だったのです。
その叔母様の写真はほかにも何枚か残っていましたが、魅力的ですよ。
叔母様1

叔母様2

叔母様3
三枚目のスナップはピンボケですがとても良い表情をしています。
この気高い美しさは晩年になってもそのままでした。

昔の家族の記念写真は貴重です。
一枚目の記念写真の存在を、私がもっと早くに知っていたなら、
これがいつ何処で、どういう状況で撮影されたものなのか、
叔母様に尋ねることができたはず、と思うと残念です。

今となっては、
誰が何色の着物を着ていたかとか(青が好きな子、赤が好きな子とかいますよね)
撮影の前後に彼女たちの間で交わされたであろう会話とか、
何にも分からないわけですね。

それで、この写真に少しでもリアリティーを与えるために、カラー化してみることにしました。
(先日のNHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」に触発されたのかも)

かつて人着(人工着色)という技法があって、
白黒写真に色を塗った絵はがきなどが売られていたことがありますが、
それをパソコン上でやろうと思います。
いわば「デジタル人着」とも言えるかな?

全くの自己流ながら、その手順を以下に解説します。

まず、原画をスキャナで読み込んで、画像編集ソフトに取込みます。
私の場合は、スキャナにバンドルされていた(おまけの)Photoshop-Eを使います。
編集画面は次のようになります。
作業画面

編集画面左上の「パレット」は色味の参考にする写真を取込んだものです。
パレット
ここでは紺絣や帯の色味と、肌色を参照するための写真を三枚並べました。
必要に応じて、使用したい色彩の部分をスポイトツールで参照すれば、
塗色を自分で作り出す手間が省けます。

編集画面右上の「レイヤー」は作業性を良くするため適宜作成します。
レイヤー
ここでは「羽織・帯・紺絣・肌色」の4つのレイヤーを設けて、
それぞれ別個に色塗りと彩色設定ができるようにしました。

そして、元々の色味を想像しながら彩色すること約1時間、
幼女時代のY子叔母様の姿がカラーでよみがえりました。
着色終了

でも、この段階迄では、どうしてもベタ塗りの感じが拭えませんので更に工夫します。
レイヤーオプションの「不透明度」を、その効果を確認しながら調整します。
透明度設定
今回は、羽織と帯を80%に、肌色を65%にして、原画が少し透けるようにしました。

そして本当の完成。
デジタル人着完成
原画に比べると肌の色が明るく自然になっているでしょう?
昔のフィルムは「赤色」により多く感光する欠点が解消できていなかったので、
どうしても皮膚の色が暗くなりすぎていたのですね。

この後、残りの三人の叔母様たちの美貌も取り戻していくのです。