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形見のカメラで撮る風景は(3)Canon_P型Body清掃2018年06月15日

前回)からの続きです。

レンズ清掃が済んだので、今度はカメラボディの整備をします。
中古カメラ入手時に、一番最初にするのはウェットティッシュで拭くことです。
これで、表面上の汚れやカビを、それなりに取り除きます。
Canon_P型ボディ分解清掃
今回もその作業をしていたら、下に敷いた白ティッシュの上に、
何かリング状のスプリングのようなものが落ちていました。
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「あれ?何か部品が落っこちたかな」と思いましたが、
よく見ると、これは「Canon」のロゴの一部ですね。
墨入れ彫り込み文字の塗料が、その形状のまま剥落したのでした。
残った文字は「non」。
まるで、分解清掃されるのを拒んでいるかのような文字列です。
ここで思い出したのは、数年前に修理した「Canonet」。
(「お久しぶりのキャノネット」に記しました)
キャノネット
この時も、頭の " C " が欠落して「anon」となっていたのでした。
何か不思議な因縁を感じます。

長年放置されたままの今回のCanon_P型ボディは、
あちこちの可動部分が不動でした。
でも、不思議なことに、少しづつ教え込むように動かしていくうちに、
正常な状態に近づいて行きました。
次の写真のセルフタイマーのレバーがその典型でした。
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最初は全く、一ミリも動きませんでした。それを、
「こう巻き上がるんだぞ、そしてシャッターボタンが押されたら、
 こう戻っていくんだぞ」と介助するように動かしていたら、
最後は自律的に回転するようになったのです。
ちょうど寝たきり老人が、
固着した関節を少しづづリハビリするのを手助けする感じでした。
てなことしながら、メカニカルな部分はリハビリ完了。
完璧とは言えないまでも、シャッター速度についても、
実用には差し支えない程度の精度で切れるようになった感じです。

あとは、いつも気になるファインダーの見え方。
どうしても古いカメラのファインダーは、カビ・汚れなどで曇ってしまいます。
それを清掃するために、軍艦部を開けることにしました。
まず、次の巻き上げレバーを外します。
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同様にシャッターダイアルなども外します。
また、次のシンクロ接点の部品も、
軍艦部カバーを固定する役割を持っていますから、外します。
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そして、アクセサリーシューも。
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距離計二重像の縦ズレ・横ズレ調整用の丸窓や塞ぎネジも外します。
(このあたりの機構は、完全にライカ方式のコピーですね)
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主なネジ部を外せば、軍艦部カバーは上に抜けます。
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その際、フィルム巻き戻しレバーは外さなくとも、抜けます。
子供のセーターを脱がす時に、
腕を上に上げさせて「スポッ」と抜くような感じです。面白い。

距離計の機構が露出したら、手の届く範囲で汚れやクモリを拭き取ります。
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プリズムの間には、この写真のように、
レンズクリーニングペーパーを差し込んで、左右に往復させて掃除しました。
分解すると大変そうな機構なので、手抜き作業で済ませたわけです。
それと、結構汚れていたのが次の部品の透明プラスチック部分。
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これは「アルバタ式のブライトフレーム」ですね。
レンジファインダーカメラの時代を実感させる部品で、
パララックスの補正機構が備わっているため、複雑な動き方をします。
そんな観察ができるのも、クラシックカメラを分解する楽しみの一つです。

そして、簡易清掃ながら、一応、分解清掃作業の完了!
「Canon」の彫り込み文字も、墨入れして復活しましたよ。
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主目的のファインダーについても、十分綺麗になりました。
これが清掃前。
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次が清掃後です。
Canon_P型ファインダー清掃
二重像もくっきり分離していて、距離合わせもやり易そうです。

続く