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聖母坂のお風呂屋さん:福の湯2013年09月30日

前回)からの続きです。

今回取り上げる地域の1974年の航空写真です。
聖母坂の福の湯

目白通りを目白駅からずーっと西へ歩いて行くと、
山手通りの少し手前で、南へ緩く下って行く坂道と交差します。
この坂道が「聖母坂通り」と呼ばれるのは、
通りの途中に聖母病院があるからです。
聖母病院

現在2歳半になる私の初孫は、この病院で生まれるはずでした。
出産間近の娘を車に乗せて、検診に来たりしていました。
でも、予定日の約一ヶ月前に福島原発で水素爆発があり、
東京の水も汚染されてしまったので、
急きょ娘の夫の実家近くに疎開させ、病院も変えました。
あの時期、東京から地方へ疎開した妊婦さんが沢山いたそうです。
「聖母」の名前の通り、親切なスタッフの多い病院だったので少し残念です。
それに、私自身、40年前この近くに住んでいたため、
何となくこの近辺に愛着があるのでした。

今回のテーマは、その頃に通ったお風呂屋さん「福の湯」です。
この屋号、「福音」の「福」を連想させて、
「聖母」坂近くのお風呂屋さんに相応しいですよね。

去年、「目白5丁目で自分探し?」でこの周辺を調べた時、
福の湯が健在である事は確かめていました。
でも、それから一年以上経過しているので、油断はできません。
上り屋敷周辺で馴染みにしていた三軒のお風呂屋さんが、
最近のきなみ消失してしまったトラウマがあります。

とにかく現況の確認が必要です。
かつての生活エリアを目指して、目白通りを西へ歩いて行きました。
実は、聖母坂通り手前に、目白通りから福の湯へ通ずる狭い裏道があります。
通りから覗き込むと、何と「福の湯」の広告が出ていました!
福の湯看板
一安心。でも、ここから福の湯入口に直行はしません。
昔を思い出しながら、通い慣れた道を歩きたいからです。

スタートはここ。
かつて住んでいたアパート「石々荘」前の路地です。
石々荘前
この近辺、「石々荘」はもう消えてしまいましたが、
良く見ると昔ながらのアパートも少し残ってます。
多分その多くは風呂無しでしょうから、
それで福の湯もやって行けてるのですね。

ちなみに、「石々荘」の室内はこんな感じでした。
大変散らかっていますが、南西の角部屋。
南向きの窓から射し込む光が、カーテン越しでも眩しいくらいでした。
アパート室内
六畳一間の独り住まい、家賃はポッキリ壱万円。と「一」づくしでした。

ついでながら、仲介してくれた駅前の不動産屋さんが言うには、
「東隣は女子大生、北隣は中年女性、いずれも独り住まい」との事でした。
その言葉で、私に何を伝えるつもりだったのでしょうか?
実際入居してみると、
東側からはボソボソ言ってる男の声が毎日聞こえてくるし、
北側からは御念仏を唱える声が伝わってきてました。

さて、福の湯への道、歩いてみると小綺麗な建物が多くなりました。
道幅は相変わらず狭いのが、少し懐かしいです。
途中の路地
ほとんど自転車くらいしか通らないので、安心して歩けます。

最後に聖母坂通りを横切ります。
聖母坂通りを渡る
ここだけが大きい車の通る道でした。注意が必要です。
その点に、昔も違和感を覚えた事を思い出しました。
聖母坂通りのこちら側と向こう側の道、
今は分断されてしまいましたが、元々は繋がっていた事が感じられます。
洗面器を抱えて夜中にお風呂屋さんへ向う時は、
車を気にせずに歩きたいです。

広い道路は街を分断します。
この聖母坂通りは、旧道も何もなかったところに、えいやっと造られたらしいです。
昭和7年の地図には無く、昭和12年の地図に突然この直線道路が登場します。
(その後、聖母坂通り西側に、山手通りまで造られてしまいました)

福の湯手前
これは聖母坂通りから入って、福の湯直前。
前方の屈曲部がお風呂屋さん入口です。

このように健在でした。
福の湯

そして、良くあるパターン、コインランドリー併設です。
隣はコインランドリー

昔通ったお風呂屋さんをシリーズで思い出していたら、
また、お風呂屋さんへ行きたくなりました。
できれば同じ町内にあって、狭い路地だけで行けるところがいいです。
洗面器にタオルと石けんを入れて、つっかけ下駄はいて、
冬には半纏を羽織って、湯上がりにコーヒー牛乳を飲んで、
そして、先に出た連れが外で待ってくれているのが理想ですね。

最後に、「半纏」ってこれです。
電気コタツと共に、アパート住まいの必需品でした。
半纏姿

(この項終り)