▪️次のボックスに適当な文字列(複数可)を入力して、当ブログ内を検索できます ▪️下の目次タイトルをクリックするとテーマ別過去記事の目次へ飛びます
    ・目白の風景 今昔:目次
    ・吉祥寺の風景 今昔:目次
    ・昔と今の写真(番外編):目次
    ・地中海バブル旅行etc.:目次
    ・旅のつれづれ:目次
    ・母のアルバム:目次
    ・目白ジオラマ鉄道模型:目次
    ・すべてのカメラに名前がある:目次

フジペットとフジカGS6452015年11月25日

今、私の手元に二つの「フジカ」があります。
フジカGS645とフジペット
左は言わずと知れた"フジペット FUJIPET"(1957年発売)、
右は"フジカ GS645 Professional"(1983年発売)です。

フジペットは子供向けカメラの中では、
撮影するための基本機能をきちんと備えた『初の』カメラです。
一方、フジカGS645は写真でも分かるとおり「蛇腹」を持っています。
このGS645は、カメラ界で『最後の』蛇腹カメラと言われたらしい。

蛇腹を折り畳むと、当然、かなりコンパクトになります。
同じ中判フィルム機のマミヤ645スーパー(1985年発売)と比べてみました。
どちらも、名前の通りイメージサイズが"6x4.5cm"です。
02
フジカGS645の小ささが分かるでしょう?
こういうユニークなカメラって楽しいと思います。
それで中古のジャンク品?を買ってみたのです。

しかし!
このカメラを楽しむには、越えなければならない高い壁があるんです。
GS645製造時の蛇腹には材質の問題があったらしく、
ほとんど全ての個体の蛇腹に、光漏れを生じる穴があるのです。
私の手にした個体もそうでした。
部屋の照明を消し、フィルム室側からLEDの光を当てて蛇腹の外側を見ると、
LEDと目の位置によって、各所に次のような光点が見えました。
03
雨漏りのように、光が漏れています。
これではカメラとして失格ですね。

この問題の根本的な解決策は、新規に蛇腹を作製し、交換することです。
その蛇腹作製にトライしたい気持ちもありますが、
その楽しみは後日として、まずは簡易に修理することを考えました。
根本的解決に取り組み、結果、技量不足で完全にオシャカにしては元も子もないし。

簡易な修理(要は穴塞ぎ)の材料として次の三つを検討しました。
04
左から、
・液体ゴム(黒鉛を混入し塗り広げる)
・パーマセルテープの黒(これを貼って遮光する)
・セメダインXの黒(小さな穴ならこれで塞げる)
このセメダインは、以前"PentaxSV"のシャッター幕修理で使った残りです。

今回は、作業性が良さそうな「パーマセルテープ」を使ってみます。
このテープ、ヨドバシで千円強と結構お高いです。
でも、長さが54mもあるので、一台の修理に50cm使ったとしても、
これ一本で百台の蛇腹カメラが修理できる勘定です。
「よし、これがあれば、死ぬまで蛇腹の修理で楽しめるぞ!」

続く
P.S.
昨日の「デジカメinfo」で、
「富士フィルムが新しい中判カメラシステムの研究開発に力を入れている」、
との噂が取り上げられていました。
そして、「GS645のデジタル判を期待する」とのコメントを寄せている方も。
私も、この懐かしい蛇腹スタイルのデジカメが発売されたら、
誘惑に抗し切れず、きっと買っちゃいますね。

フジカGS645の蛇腹の穴の簡易修理2015年11月26日

前回)からの続きです。

"フジカ FUJICA_GS645 Professional"の蛇腹には、
次の写真で白矢印の示す位置に、光漏れを生じる穴が明いていました。
フジカGS645の蛇腹の穴
いわゆる出隅。
伸縮のストレスが最も掛かる場所ですね。

出隅は他にも有りますから、これを一つ一つ潰して行くのは大変そうです。
それで、パーマセルテープを使って纏めて塞ぐ事にしました。
02
こんな感じに、点線で示す範囲が広く覆われるはずです。
イメージとしては、地下鉄の駅などで天井からの漏水対策として、
ちょっと見苦しくビニールを広げて吊るしているのがあるでしょう?
まさにあれです。

では、レンズ後玉部に傷を付けないよう保護紙で養生して、作業開始!
03
蛇腹の奥から貼り始めます。
蛇腹の折り目の山と谷にテープを馴染ませながら貼り、
最後は次のように余ったテープを切り落とします。
04
そして完成!
05
だいぶ皺が残っていますが、遮光性には問題無し、のはず。
地下鉄駅天井のビニールシートよりは、少しましかな。

次の写真は部屋の照明を消し、光漏れのチェックを行なっているところです。
06
このように蛇腹内部の様々な方向からLEDライトを当てて、
光が外に漏れ出さないか、蛇腹外側の状況を観察しました。

最初は「OK!」と思いました。蛇腹外側も真っ暗だったからです。
ところが、暫くして暗闇に目が慣れて来た頃、
LEDライトを照射する方向によっては、
次のようにぼんやりと四等星くらいの星が見えるように感じました。
07
しかも、照射方向と見る角度により5、6箇所くらいありそうでした。

どういう訳か、出隅以外に、極々小さな穴が複数あったのです。
この小さな穴の場所を確定するのは、かなり困難でした。
何しろ真っ暗ですから。
どの場所か目で確認しようと思って部屋の照明を点けたとたんに、
星のかすかな明かりは、照明にまぎれて消えてしまいます。
やむを得ずこうしました。
部屋の照明を消したまま、
LEDの光が漏れてくる小さな穴を手探り(指探り?)で押え、
その指を動かさないようにして、肘で部屋の照明のスイッチを押すのです。

その小さな穴が明いていた場所には、追加でテープを貼りました。
作業は、シラミつぶしの要領で一つずつです。
蛇腹の内側・外側にこだわらず、作業し易い面から貼りました。
結果、こんな具合に。
08
昔の「肘当て」を思い出します。
まあ、いずれ蛇腹ごと交換する予定なので、これで良しとしましょう。
(追記:後日、無穴の蛇腹と交換しました。この記事をどうぞ
(更に追記:後日、蛇腹の新規製作に取り組んでみました。この記事をどうぞ

このシラミ対策のおかげで、
先ほどのLEDチェックを行なっても、次の状態です。
09
まさに「漆黒の闇」。光漏れは完治しました。
(実写してない段階ですから正しくは「完治したはず」かな?)

さて、作業完了して気になるのは「蛇腹が畳めるか?」です。
蛇腹が嵩張って蓋が閉らなかったら、このカメラの価値はありません。
10
閉めてみると大丈夫そう。
これもパーマセルテープの薄さ(0.1〜0.15mm)のおかげですね。
蓋を閉じた状態も次のように作業前と変わりません。
11
これならば、快適に持ち運べますね。
では、フィルムを詰めて、試写してみたいと思います。

続く

フジカGS645で目白実写編2015年11月28日

前回)からの続きです。

蛇腹の穴の修理が完了した"フジカ FUJICA_GS645"を持ち出して、
11月末の目白の風景を"walk & shoot"してみました。
結果はOK!
光漏れの気配は全くみられませんでした。

まず、目白駅前の「トラッド目白」で腹ごしらえをしました。
37種類のピザを提供しているピザ屋さん。
その名も「37」。
TRAD目白の「37」

散歩の途中、千登世橋からの見下ろし。
02
ファインダーとレンズの位置がずれているのを忘れて、
画面に橋の手摺が写り込んでしまいましたね。

とにかく鬼子母神に着きました。紅葉進捗80%。
03
境内の「大黒堂」
04
同じく境内の駄菓子屋さん「上川口屋」
05

帰り道に千登世橋の下で明治通りのカーブをパチリ。
06

さて、このカメラ、中判フィルムを使用するカメラとしては、
本当に軽くて薄くて携帯に便利です。
07
ただし、この写真で分かるとおり、レンズ周辺の操作部が過密です。
「距離」を合わせた後に「絞り」環を操作したりすると、
知らずに距離環に触れて、ピントがずれちゃったりします。
幾つか失敗しました。
その反省のもとに、後日もう一本、
今度はモノクロフィルムで実写訓練することにしました。

続く