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ニコンFフォトミック「FTNファインダー」の修理2015年10月02日

かつて私の手元に、「ニコン フォトミック FTNファインダー」がありました。
下の写真右端のカメラに付いている銀色のファインダーです。
ニコンFTNファインダー
しかし、このファインダーは
・ゴツくて美しくない
・メーターが躁鬱病のように不安定で実用に耐えない
という二つの理由から、所有する喜びがあまり感じられなかったので、
しばらく手元に置いておいた後、売り払ってしまいました。

ところが、先日、出戻って来てしまいました。
しかも真っ黒になって。
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それで、今度はじっくり遊んであげる事にしました。

お腹側から中を覗くと、光学系はクリアーでした。
この機種特有のプリズム面の腐食とかはありません。
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しかし、昔と同じく、メーターは不良でした。
絞りやシャッタースピードに追随して針が振れるのですが、
その振れ方が、極めて不安定でした。
また、安定した状態になっても、露光値は数段分オーバーを示します。
電気回路のどこかで、接触不良と過電流がない交ぜになっている感じです。
但し、安定した状態でカメラを明所から暗所へ向けると、
針が静かに、かつ、それなりに振れるのでcdsセンサーは生きていそうでした。

取り敢えず分解して原因を探りました。
分解手順は「ニコン、Ftnファインダー、分解」でネット検索すると沢山見つかります。
次は、まず上部の貼り革を剝がし、上カバーを外したところです。
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ここで、左側の穴からアクセスできる三本のビスを緩めて、
そこに接続されている配線三本を、あらかじめフリーにしておきます。

前カバーを外して、絞り連動ピンを動かして、機械的なチェックも一応やりました。
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問題ありません。それにしても、このメカニズム、結構すごいですね。

ここからが本番、ハウジングの中を覗きます。
次の写真で白矢印のビスを4本外すと、本体を上下に分割する事ができます。
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上のハウジングを覗いたところが次の写真です。ここに原因がありました。
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私の指先が銀色に染まっています。
まるで金属メッキを施されたかのようでしょう?
これは金属(多分「接触ブラシ」等)が削られて粉末状になったものです。
結局、その粉末が、ある部分にこびりついて、電気回路を不安定にしていたのですね。
そのこびりついていた所は、上の写真で「可変抵抗リング」の内側でした。
丸い真鍮のリングの下のグレーのリングが「可変抵抗リング」です。

別の角度から見るとこうです。
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この「可変抵抗リング」と「接触ブラシ」の接する面を、
僅かにアルコールを含ませた綿棒で丁寧に拭いてあげました。
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これで修理完了!のはず。
再度組み上げてチェックすると、メーターの針の動きは安定していました。

続く

FTNファインダーの代用電池2015年10月03日

前回)からの続きです。

前回で修理完了したはずのニコンFTNファインダー、
メーターの針の振れ方は安定しましたが、
正常な露光計と比較すると、絞りにして約二段分のズレがありました。

これは、使用している電池の電圧の違いによるものだそうです。
もともとFTNファインダーが指定する電池は、
電圧1.3Vの水銀ボタン電池二個でした。
"mercury batterie"とか"ナショナルH-D型"とか"MR-9型"
などと呼称されていたものです。
でも、これらの水銀電池は既に製造中止になっているので、
今回の修理チェック時には、
サイズが同等の"VARTA アルカリ電池 V625U"を使用しました。
ただし、このアルカリ電池の電圧は、水銀電池よりも0.2V高い1.5Vです。
この0.2Vの違いが、メーター二段分のズレになっているようです。

それで、この差異を少しでも解消するために、次の製品を用意しました。
空気亜鉛電池
左:「補聴器用」の空気亜鉛電池(1.4V) 六個 700円
右:電池サイズ変更用アダプター 二個 1,000円
です。

次のように使います。
下の写真で左から
・電池とアダプターの合体前
・電池をアダプターに嵌め込んだ状態
・VARTAのV625U(1.5V)
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当初のチェック時には、右端のV625Uの電池を二個(3.0V)使っていた訳ですが、
この代わりに、アダプターに入れた空気亜鉛電池を二個(2.8V)使う事にしました。

そして計測。
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電気スタンドを工夫してほぼ均一な照度を保つ壁面を用意し、
その壁面に向けたカメラに、正常な露光計(左)とFTNファインダー(右)を装着します。

そして両者の値を読み取り、比較します。
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これで、「ほぼ正常値を示すようになる」ことを期待したのですが、
結果は、絞りにして一段分のズレが残りました。
電圧の差異が半分になったので、メーターのズレも半分になったのですね。
しごく妥当な結果でした。

それでやむなく最終手段。
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この写真はFTNファインダーに備えられている"メーターアジャスター"
の調整ネジを回している所です。
これを僅かに右に回してメーターの感度を一段分下げて、
左の比較用の露光計と同一数値を得られるようにしました。

まあ、こうして、結局アジャスターをいじるのであれば、
最初から1.5V用に調整した方が話は早いですよね。
なので、最終的には次のアルカリボタン電池(1.5V)の使用を前提に調整しました。
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この電池"LR44"が最も汎用性が高く安価です。
(実際、私の普段使用するフィルムカメラの多くがこの電池を使用)
ということで、これにて「一件落着」しました。

ただし、我家には昔の水銀ボタン電池(1.3V)を使用するカメラが、
「ニコン フォトミック FTN」以外に次の写真のように幾つもあります。
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上から、
ミノルタ Minolta SR-7
ニコマート Nikomat FTN
キャノンデミ Canon DEMI EE17
です。
これらのカメラでは、露光計アジャスターは本体内部に隠れているため、
これをきちんと調整するには、カメラボディを分解する必要があります。
緊急性は別にないし、どうしたものかな?

まあ、そんな訳で、せっかく購入した「補聴器用電池」は無駄になってしまいました。
私に補聴器が必要になる時まで保存しておけるでしょうか?

続く

ニコンFTNファインダーで撮影2015年10月04日

前回)からの続きです。

修理完了したニコンFTNファインダーを本体に装着して、
初秋の下落合を"walk & shoot"することにしました。
はたして、実戦でも適正露出が得られるでしょうか?

01_おとめ山公園に隣接する「東山藤稲荷神社」
東山藤稲荷神社

02_森の中の谷を越えて「原っぱへ」
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03_おとめ山公園の西端出口付近
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04_公園を抜けると「相馬坂」に自転車の警官
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05_氷川神社、これから七五三の季節
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06_氷川神社の凛々しい狛犬
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すべて適正露出!で大満足。
この「ニコンFTNファインダー」、とっても古いものですので、
外観もそこそこ奇麗、また光学系に腐食なくクリアーな見え方で、
露出計も完璧な個体、となると極めて貴重なはず。
またまた、私の防湿庫の中で「お宝」が増えました。

まだ続く

これは「ニコンF1.5」?2015年10月06日

前回)からの続きです。

前回、下落合を"walk & shoot"した時の装備はこれでした。
黒のニコンFフォトミック
Nikon_F + FTNファインダー + Nikkor_50mm/1.4

これを改めて眺めて、
「頭でっかちの不細工なデザインだな」と思いましたが、
妙な親しみを覚えました。
それは、私が40年前に愛用した「ニコンF2」に似ているからです。

そこで、昔のニコン一眼レフの外観比較をしてみました。
比較対象は次の三台です。
・ニコンF初期型
・ニコンF後期型(今回使用したカメラ)
・ニコンF2

この順に左から並べたのが次の写真です。
ニコンFとF2の比較1
左のニコンFは標準的なアイレベルファインダーを乗せています。
中のニコンFは、ボディと色違いの黒のフォトミックファインダーが乗っています。
右のニコンF2は、写真の組み合せ(黒のフォトミックファインダー付き)が標準でした。
並べて見ると、右側の二つにデザイン的な共通点が多いでしょう?
セルフタイマーのレバーも右二つが同じプラスチックですね。

次の写真では、
・巻上げレバーの黒のプラスチックカバー
・ファインダーの丸形覗き窓
の二点で、F後期とF2に共通点があります。
ニコンFとF2の比較2

上から眺めた場合のトータルな雰囲気も同様です。
ニコンFとF2の比較3

そんな訳で、中央の後期ニコンFフォトミックは、
初期FとF2の中間にあるという意味で、「ニコンF1.5」と言えます。
旧型の意匠を引き継ぎつつ、少しずつ次代のモデルへと変遷する様が面白いです。
まあ、オールドニコンの愛好者以外には、どうでも良い話かと思いますが。

(終り)

6万円のタムロンズームで錦織圭を撮る2015年10月08日

最近のデジカメ用の交換レンズは値段が高いです。
「一体どんな人種が買うのか?」と思うぐらい。
今年頑張って購入したのは、下の写真左側のタムロンの28-300mmズーム。
約6万円もしたのに、このレンズ、世間的な評判では、
お金のない人向けの「高倍率便利ズーム」という位置づけらしい。
6万円のタムロンズーム
それまで使っていた望遠ズームは右側のニコン70-300mm。
純正ですが、手ぶれ防止機構がないので、中古で約6千円と格安でした。

この6千円ズーム、安いけれども孫の運動会で活躍しました。
次の写真が実例。十分でしょう。
去年の運動会
屋外だと明るいからシャッタースピードを速くできるし、
手ぶれ防止機構がなくても良かったんです。

ところが、今年から運動会が屋内開催になってしまいました。
それで清水の舞台から飛び降りるつもりで6万円のを買ったのです。
でも、飛び降りたおかげで、屋内でもきちんと撮れました。
今年の運動会
動体ブレ等はあっても、意図せざる手ブレは起きていませんね。

こんな風に、一応購入結果に満足してはいましたが、
孫の運動会用だけではさすがに勿体ないです。
それで、昨日、有明コロシアムへ楽天オープンの錦織圭を応援に行ったので、
このレンズの実力を試すつもりで持ち出しました。
以下がその作例。早く、もとを取らなければ。

会場に入って、最初に目を引いたのが、テレビカメラを覆う「よしず」
よしずカメラ1
何か随分な感じですが、よしずの下には数百万円のレンズが隠れているはず。

見始めの第二試合に登場したのは、
昨年の全米オープン決勝で錦織を破ったチリッチ。
チリッチのサーブ
ビッグサーバーも昨年の出来ではないですが、フルセットの末に勝ち上がり。
もう一つ勝って、錦織と対戦する可能性が高いので楽しみです。

次の第三試合に錦織登場。ほとんどパーフェクト。もちろんサーブも。
07錦織のサーブ
次の写真は、最終ゲームの錦織。(後方の電光表示がそれを示しています)
試合終盤になっても軽やかなフットワークでした。
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勝利を決めて、サインボールを観客席へ打込む錦織。
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ボールは観客席の最上段へ?
手前の松岡修造さんの目線が、その高さを示しています。
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さて、第四試合に登場したのは、第一シードのスタン・バブリンカ。
彼は、全豪・全仏のチャンピオンになって、一段と風格が増しました。
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バブリンカといえば、片手バックハンドの素晴らしさで有名です。
しかも、バックハンドは強打だけではありません。
次の三枚はスライスボールを打つところの連続写真。
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次の三枚は、コントロールされたダウンザライン。
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バブリンカのバックハンド
バブリンカには、天才的なブロックリターンの技術もあり、
私は、彼のいぶし銀のようなプレーが大好きです。
決勝で、錦織対バブリンカになったら、どっちを応援するか迷います。

そうそう、これらの写真は望遠端の300mmで撮ったものですが、
広角端の28mmの写真も載せないと、「便利ズーム」の有難味が伝わりませんね。
次の写真が28mmで撮った会場全景ですが、
選手のアップから会場全体まで一本のレンズで撮れちゃうのは、
単焦点好きの私にとっても、やっぱり便利ですよ。
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