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ニコンF-501とF90、今更のAF撮影比較2014年06月08日

前回)からの続きです。

オートフォーカス性能がイマイチとされているニコンF-501のボディを入手しました。
Nikon_F-501
手持ちのズームレンズを装着して試写しました。

新目白通りを走る人々にフォーカスしたつもり。
被写界深度内ですが、ちょっと甘いかな。
走る女性たち

高戸橋の鳩。思いっきりピンボケです。
このようなコントラストの低い被写体は苦手なようです。
鳩には焦点合わず

スクーターにはジャスピンでした。
目白通りのスクーター

ゆっくり歩く男の子にはOK。
歩く少年

そして歩かないポストには完全に合焦。
歩かないポスト

という結果でした。
ちょっと困難な条件下ではピントを外しそうです。
迷ってピントが前後に行ったり来たりすることもあります。
まあ、本気モードで使うカメラではないので許容範囲内です。

さて、そうこうするうち、ニコンのAF機がもう一台やってきました。
Nikon_F90S
欲しかったズームレンズを買ったら、ボディもついていたのです。
レンズは、最初の写真と同じ35-105mmのズームですが、
新型になって、長さで約15mm短くなり、重さも50gくらい軽くなっています。
ニコンのHPの旧製品データベースの中でも、35-105で残っているのはこれだけです。
だから多分ニコンの自信作なのではないかと思っています。
「複合型非球面レンズの採用により、歪曲収差、コマ収差を良好に補正するとともに、小型化、高画質を実現」
と説明されています。
このズームを探していたら、写真のボディ(F90S)と一緒に売っていたのです。

ボディは劣化したゴムでベタついていました。レンズは前玉に傷がついていました。
そのせいか、合わせて千円でした。
でもゴムはこすり落とせるし、前玉の傷は写りにはほとんど影響しません。
それに、この二つあわせると当時の定価は約二十万円ですよ!

もっとも、この"ニコン Nikon F90"、私の好みのデザインではありません。
下の写真で、F-501(左)とF90(右)を比べてみましょう。
二台のニコンAF機
F-501は1986年の発売、F90はその6年後の1992年の発売です。
どうもこの間でカメラデザインの主流が丸っこくなったようです。
私は、水平・垂直・平面が好きなのです。残念!!

軍艦部も比較してみます。
軍艦部比較
F-501(下)が伝統的なダイヤル式の操作体系なのに比して、
F90(上)はメニュー操作による液晶表示がメインです。
古い物好きの私は、当然F-501に軍配を上げます。

一応、AF性能の比較のためにF90でも試写してみました。
椿の坂を駆け下りる自転車です。
椿の坂の自転車
自転車にピントが合い、
その右奥の日傘の女性や右手前の植木鉢はきちんとボケています。

様々な条件下で試したところ、合焦速度や正確性はF90の圧勝でした。
その性能は現代のデジタル一眼にもひけをとりませんでした。
ということは、F90が発売された1992年から現在までの間、一眼レフの受光部は
「フィルム」から電子式の「イメージセンサー」へと全く違う方式になりましたが、
それ以外の要素は、ほとんど変化していないんですね。
ある意味、もったいないです。

ネットの世界では、よく
「フィルム形状のセンサーを開発してほしい」との夢が語られます。
本当にそんなものが開発されたら嬉しいです。
フィルムとセンサーを入替えるだけで、半世紀以上前のバルナックライカやニコンFが、
フィルムカメラになったりデジカメになったりしたら、どんなに面白いことでしょう。
そうなったら、昔のカメラも見直されて人気が戻り、
私が1/100の値段で入手したフィルムカメラが、
全部100倍の値段に戻って、私は大もうけできます。

娘の残した写真とスキャナ故障2014年06月11日

娘が四ヶ月ほど前に家を出る直前、
自室の片付けをしていたら、未整理の写真が出てきたそうです。
娘の部屋から大量の写真
フィルムとプリント、いずれも沢山あります。
机の引き出しや各所に散乱していたのを、
私に引き渡す前に、それなりに整理分類したようではあります。
とはいえ、「我家の写真データは全てデジタル化済み」
と思っていた私には新たなノルマ発生です。

まずフィルムからスキャニングしようと思ったら、
何と愛用のスキャナ”エプソン EPSON F-3200”に故障発生です。
かつてのF-3200
この写真は、F-3200が健在な頃、110フィルムをスキャンしている様子です。
先日、こんな風にフィルムホルダが滑り込み始めたら、その途中で、
「ガリッ!ガリガリ!」と嫌な音を立ててストップしてしまいました。
何度か電源を入れ直しても、正常な状態には戻りませんでした。

6年前に買って、特にここ2年ほどは酷使したので寿命かも知れません。
エプソンのHPで調べてみると、
この製品は既に「修理対応が終了した製品」に分類されていました。

カバーを開けて眺めてみたところで、素人の手に負えそうもありません。
カバーを開けて

実は、我家にはもう一台スキャナがあります。
”エプソン GT-X820"で、F-3200より原稿台が広いので、
印画紙に焼付けられた写真のスキャンに使用しています。
GT-X820
この機種でもフィルムのスキャンは出来るのですが、
残念ながらF-3200のスキャン画質には及ばないのです。

それで新たに買い足しました。エプソンの”GT-X970”です。
下の写真で、左から
・故障したF-3200(2008年購入)
・GT-X820(2011年購入)
・GT-X970(今回購入)
です。
三台のエプソンスキャナ

実は6年前も、このGT-X970を買おうと思ってお店に見に行きました。
でも、その巨大さに驚いて「絶対この機種は買わんぞ!」と決心した記憶があります。
そして、値段は高いけれども小さくて軽いF-3200を選んだのです。
その決心に反して今回、巨大なGT-X970を買ってしまいました。
ほかにまともな選択肢がないんです。

以前は、F-3200のようなフィルムのスキャンに特化した機種が何種類もありました。
でも、デジカメ時代なので、もう売れないのですね。
F-3200が売られていた頃、うたい文句は”PhotoPC factory”でした。
F-3200のパンフレット
「自宅が、いちばん信頼できるラボになる」とのコピーもありました。
フィルムが風景を切り取るために、カメラとスキャナとPCが協力したんです。

といつまでも懐かしがっている訳にも行かないので、
とにかくGT-X970の性能を検証してみます。

続く

EPSONスキャナ画質比較2014年06月14日

前回)からの続きです。

手持ちのスキャナ、”エプソン EPSON GT-X820”と”GT-X970”の画質を、
故障する前のF-3200の画質と比較してみました。
以前F-3200でスキャン済みのバラの写真(大塚駅近くの都電線路沿い)を使います。
元は6x4.5cmのカラーネガで、これを解像度2400dpiで取込んでみました。
解像度以外は、各スキャナのデフォルト設定のままです。

F-3200
F-3200でスキャン
GT-X820
GTX820でスキャン
GT-X970
GTX970でスキャン

たまたま明暗の違いはあるものの、これはいつでも調整可能ですから、
このサイズで見る限り画質には特段の差はないように見えます。
問題は拡大した時です。
三枚目の写真で白丸で囲ったピンクのバラの部分を、
それぞれについて拡大し並べて比較します。
部分拡大比較
バラの花びらの色乗りが各機種で明らかに違っています。
また、花びらや、その下の茎と葉の部分に着目すると、
GT-X820の場合は、背景とバラの境界に不自然な白点が見られます。
これは画像の輪郭部分を際立たせ、
写真をシャープに見せるデジタル処理が自動的に施されているためです。

この処理を「アンシャープマスク」と言い、下のスキャナ操作画面にあるように、
エプソンの機種はデフォルトでこの機能が”ON”になっています。
エプソンスキャン操作画面
この機能の副作用として、GT-X820の場合は画面にノイズが出たり、
不自然な白点が生じたりするようです。
F-3200とGT-X970の場合は、基本性能に余裕があるので、
あまり無理せずにシャープネスを確保できるのでしょう。
総合的に見て画質に順位をつけると次のようになります。
F-3200 > GT-X970 > GT-X820

これは見事に価格と正の相関関係があります。各機種の値段はこうでした。
55,000円 > 42,000円 > 24,000円

画質の良さはお金で買えるものだったのですね。
F-3200が故障してしまったことはつくづく残念です。

さて、高級機とばかり比較するとGT-X820が可哀想です。
この機種も通常使用には十分な性能を持っているのですから。
先ほどの「アンシャープマスク」のチェックを”OFF”にして取込んでみたものを
画像編集ソフトで微調整すればこうなります。
画像調整済み
十分でしょう?

拡大比較した部分もこうなっています。
調整後部分拡大
確かにシャープさは若干落ちますが、
マイルドな絵になってむしろ好ましいのではないでしょうか。
何万画素!とか言ってカリカリの解像度ばかりをもてはやすのは、
最近のデジタル文化の悪いところです。

人間も、むしろ年とともに少し視力が落ちたくらいの方が、世界が美しく見えたりします。
家の中でも、ゴミを見つけて拾うのは、視力の良い人間の役目になりますよね。
ちなみに我家では、ここ数十年間、視力が一番良いのは私です。

目白と柳原白蓮邸の屋根にさよならする日2014年06月18日

先日、愛知県津島市の料理店で与謝野晶子と「柳原白蓮」の直筆短歌が発見された、
と新聞が報じていました。
料理店の仏間にある棚を整理していて、紙の箱に入った短冊を発見したそうです。

・かねの音にむかしのひひき聞ゆなり忘れしことを思ひいてよと
・朝化粧五月となれは京紅のあをき光もなつかしきかな

この二つを含む白蓮の直筆短歌が七首見つかったそうです。

最近、白蓮に関する記事を目にすることが多いです。
その理由は、NHKの「花子とアン」で主人公の親友・葉山蓮子のモデルが、
この歌人柳原白蓮だからでしょうね。
また、白蓮の波瀾万丈の生涯、
特に三人目の夫となる宮崎龍介との命がけの恋愛(いわゆる道ならぬ恋)
などの物語性に皆惹かれるからではないでしょうか?

およそ文学や恋愛事には縁のない私も、柳原白蓮には少し興味を持っていました。
それは、私が40年前に住んでいた目白のアパートの窓から、
白蓮が晩年を過ごした家の屋根が良く見えたからです。
柳原白蓮邸の屋根

屋根2
銀鼠の瓦が、いかにも目白のお屋敷にふさわしい佇まいでした。
このお屋敷は門構えや塀も、次の写真のように立派でした。
白蓮邸の門構え

白蓮は、大正三美人の一人だそうですから、
「住む人に合わせて家も美しくなる」という俗説は本当かもしれません。
ちなみに、これらの1970年代後半の写真、ちょっとセンチメンタルな写真です。
というのは、この写真を撮影した直後に、私は吉祥寺へ引っ越したからです。
そんな「さよなら目白」の気持が写っているでしょう?

その吉祥寺のアパートの屋上で、引っ越し直後に撮影した一枚がこれです。
吉祥寺のマンションの屋上から
背景はボケていますが、いかにも新興住宅地っぽいですね。
目白の上り屋敷の風景とは随分違います。
でも、実はそんな吉祥寺の風景に特に不満も持たず、
新しい住まいを喜んでいた記憶もあります。
若い時はそんなもんです。

そして、この吉祥寺、街の人気度調査で、今は住んでみたい街のNo.1だそうです。
私の中でも、目白と吉祥寺は甲乙付け難い街になっています。
要は、どこで暮らしても年月が経つと懐かしく感じられる、ということなのかな。

先ほどの白蓮の短歌にも、「むかしの」「忘れしこと」「なつかしき」と歌われています。

昔も今も二人遊びの女の子2014年06月22日

数日前に撮ったスナップ写真を見ていて、
「そう言えば似たような写真を昔も撮っていたな」
と思い出し、アルバムから数枚を抜き出してみました。

おとめ山公園
二人遊びの少女たち

吉祥寺の住宅裏手
吉祥寺

鬼子母神
鬼子母神

野川公園
野川公園1

野川公園2

これらの写真の共通項は、「二人遊びの少女たち」。
そして違っているのは、それぞれ別のレンズが使われていることです。
上から順番に、
・Mamiya-Sekor 80mm/f2.8(645用)
・C-Sekor 80mm/f2.8(二眼レフ用)
・Nikkor 50mm/f1.4
・Nikkor 200mm/f4
・Nikkor 105mm/f2.5

同一のテーマでも、レンズやフィルムを変えて撮ると面白いです。
それに、レンズは生ものなので、時々出番を与えないとカビが生えます。