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カラーフィルム自家現像UNICOLOR編(1)2019年01月26日

4年前の記事「カラーフィルムものぐさ自家現像」の続きです。
以前利用していたネガカラーフィルム用現像液
「ローライデジベース Rollei Digibase C41 Ready to Use」
が販売されなくなって約二年ほど経ちました。
何でも、成分が変更され、その変更後の製品には、
日本では販売できない薬剤が使われていたそうです。

やむなく、ほぼ完全モノクロ派となっていた私も、
最近またカラー自家現像で遊びたくなり、買ってみました。
カラーフィルム自家現像キット
「ユニカラー UNICOLOR C41 現像パウダーキット」です。
(知床のかわうそ商店で税送料込み3,980円)
左後ろが昔懐かしい「デジベース DIGIBASE」のオレンジの箱です。
この二つの製品の大きな違いは、
デジベースが約500mlの既調合の薬液であるのに対して、
ユニカラーは自分で粉末を溶かして、薬液を作らねばならない事です。
また、指定液量も1,000mlとなりますから、
私にとっての適量の500mlの二倍と過剰ですね。
でも、必要な溶液を作ってしまえば、後の作業に大きな違いはありません。

それで、まずやることは粉末を半分に分けること。
02
電子秤の上に紙を敷き、一旦全量を乗せた上、
数値を見ながら、スプーンで半量を袋に戻しました。
ちょっと面倒な作業ですね。
溶かさなかった粉末は封をして保管します。
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作成する薬液は、
現像液・漂白液の主要二液と安定剤の三本です。
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この写真は、今回作成した三液を、
モノクロ用の定着液と一緒に保管している状況。
同じ保存瓶なので、間違わないようにラベルを貼っておきます。

でも、現像を開始しようと湯煎を行なったら、
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ラベルが剥がれてきてしまいました!
まあ、液色が明らかに違うので、間違うことはありません。
次が使用前の現像液。
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これが使用後は次のように朱色になります。
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一方、漂白液は次のようにお醤油のよう。
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現像作業では特に現像液の温度が大切です。
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次のレシピを見ながら、液温と現像時間を決めました。
10現像レシピ比較
私の使用するPatersonタイプのプラスチックタンクでは、
青の部分、「38.9℃で3.5分」と一択しかありません。
でも、フィルムドラムのレシピでも同様だろうと考えて、
「29.4℃で10.25分」を選びました。
次は、途中の液温をチェックしているところ。
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その後、レシピどおりの手順を踏み、完了。
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ちょっと濃いめのネガに仕上がりました。
(後述の検証から判断すると、現像時間が2.5分ほど長すぎたようです)
私的には合格点ですが、ハイライトが飛ばないよう、
スキャン時に若干の補正をかける必要がありました。
実例として一枚、補正後の写真を載せて見ます。
13目白台運動公園

■次回の現像を見据えて。

今回の結果から、「現像液の温度と現像時間」について、
私なりの結論を導くと、次のようなグラフになります。
現像温度と時間のグラフ
赤丸、青丸がUNICOLORの推奨処方、
緑丸が昔使ったデジベースの推奨処方、です。
私の使用するパターソンのプラスチックタンクの場合、
推奨される液温・時間の組み合わせは、青丸のただ一点しかありません。
ただし、この組み合わせは、
素人が適正に管理するには、温度は高すぎ、時間は短すぎ、です。
それを考慮して、管理しやすい温度と時間の組み合わせを選べるように、
推奨値の仮想曲線を描いて見ました。
青色の線がそれです。
多分これは、そこそこ上手く行くはずです。

この青色の線の上では、
液温が25℃〜30℃の範囲で「液温(℃) + 現像時間(分) = 39」が成り立ちます。
またパターソンのプラスチックタンクを使用する私の場合、
これまでの経験からすると、
想定より少し早めに現像が進行しているような気がします。
次回は、「液温(℃) + 現像時間(分) = 38」と現像時間を少し短めにして、
また、途中の撹拌も、レシピでは30秒ごととなっているところ、
これを60秒ごとと、ものぐさモードでやってみようと思います。

続く

(2022/01/05 追記)
その後、入手できるカラーキットが「CineStill-Cs」というブランド名に変わり、
これは多分UNICOLORと同一の製品と思われますが、
添付の説明書の記述も若干変更されていました。
それらを元に再度自分なりの現像レシピを追求してみたところ、
次のような結論に達しました。現像時間についてだけですが、
液温と処理時間の関係は、
25°:22分
26°:19分
27°:16分
28°:13
29°:11
30°:9分
です。グラフにすると以下の通りです。
現像レシピ変更
これより低温で処理した場合は、コントラストが大きく低下するため、
スキャンで取り込んだ後の補正が欠かせません。