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FTNファインダーの代用電池2015年10月03日

前回)からの続きです。

前回で修理完了したはずのニコンFTNファインダー、
メーターの針の振れ方は安定しましたが、
正常な露光計と比較すると、絞りにして約二段分のズレがありました。

これは、使用している電池の電圧の違いによるものだそうです。
もともとFTNファインダーが指定する電池は、
電圧1.3Vの水銀ボタン電池二個でした。
"mercury batterie"とか"ナショナルH-D型"とか"MR-9型"
などと呼称されていたものです。
でも、これらの水銀電池は既に製造中止になっているので、
今回の修理チェック時には、
サイズが同等の"VARTA アルカリ電池 V625U"を使用しました。
ただし、このアルカリ電池の電圧は、水銀電池よりも0.2V高い1.5Vです。
この0.2Vの違いが、メーター二段分のズレになっているようです。

それで、この差異を少しでも解消するために、次の製品を用意しました。
空気亜鉛電池
左:「補聴器用」の空気亜鉛電池(1.4V) 六個 700円
右:電池サイズ変更用アダプター 二個 1,000円
です。

次のように使います。
下の写真で左から
・電池とアダプターの合体前
・電池をアダプターに嵌め込んだ状態
・VARTAのV625U(1.5V)
02
当初のチェック時には、右端のV625Uの電池を二個(3.0V)使っていた訳ですが、
この代わりに、アダプターに入れた空気亜鉛電池を二個(2.8V)使う事にしました。

そして計測。
03
電気スタンドを工夫してほぼ均一な照度を保つ壁面を用意し、
その壁面に向けたカメラに、正常な露光計(左)とFTNファインダー(右)を装着します。

そして両者の値を読み取り、比較します。
04
これで、「ほぼ正常値を示すようになる」ことを期待したのですが、
結果は、絞りにして一段分のズレが残りました。
電圧の差異が半分になったので、メーターのズレも半分になったのですね。
しごく妥当な結果でした。

それでやむなく最終手段。
05
この写真はFTNファインダーに備えられている"メーターアジャスター"
の調整ネジを回している所です。
これを僅かに右に回してメーターの感度を一段分下げて、
左の比較用の露光計と同一数値を得られるようにしました。

まあ、こうして、結局アジャスターをいじるのであれば、
最初から1.5V用に調整した方が話は早いですよね。
なので、最終的には次のアルカリボタン電池(1.5V)の使用を前提に調整しました。
07
この電池"LR44"が最も汎用性が高く安価です。
(実際、私の普段使用するフィルムカメラの多くがこの電池を使用)
ということで、これにて「一件落着」しました。

ただし、我家には昔の水銀ボタン電池(1.3V)を使用するカメラが、
「ニコン フォトミック FTN」以外に次の写真のように幾つもあります。
06
上から、
ミノルタ Minolta SR-7
ニコマート Nikomat FTN
キャノンデミ Canon DEMI EE17
です。
これらのカメラでは、露光計アジャスターは本体内部に隠れているため、
これをきちんと調整するには、カメラボディを分解する必要があります。
緊急性は別にないし、どうしたものかな?

まあ、そんな訳で、せっかく購入した「補聴器用電池」は無駄になってしまいました。
私に補聴器が必要になる時まで保存しておけるでしょうか?

続く