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オールドニッコールの簡易Ai改造2014年05月19日


D600にオートニッコール
この写真はニコンのデジ一眼D600に、
”オールドニッコール old Nikkor”レンズの35mm/f2.8を装着したものです。
この組み合せは、ニコンのHPではやってはいけない事とされています。
壊れる事があるそうです。でも、やってしまいました。
若干の改造を施せば大丈夫そうだったからです。

以前「出戻りのオールドニッコールレンズ」にて、
手持ちの古いニコンレンズを並べて見ました。
ニッコールレンズ群
壮観!です(自己満足)。
このうちで一番古い型の35mm/f2.8(左から二つ目)は、
写真中央のニコンF2(フォトミックAタイプ)にも使えず、
当然、最新のデジタル一眼レフにも使えませんでした。

だから、次の写真左のように最古のボディであるニコンF専用として使っていました。
ニコンFとD600
でも、この写真右側のデジタル一眼やF2にはなぜ着かないのか、そして、
使えるようにする方法はあるのか、私の研究・工作熱が目覚めてしまいました。

そこで、ニコンレンズのリア側の形状を改めて観察してみました。
左から右へ行くほど新しいレンズです。
レンズのリア側
技術者の工夫の歴史が見えて、大変興味深いです。
レンズの絞りの情報をカメラ付属の露出計にどう伝達するかの工夫がなされています。
赤の矢印部分には突起があり、絞り環の位置情報を物理的にカメラに伝えます。
(厳密に言うと、「開放F値と実絞り値の差分」を伝達しています)
この突起を「露出計連動ガイド」と呼びます。
右端の青の矢印部分は電子接点で、電子的に絞りの情報などをカメラに伝えます。

次の写真はニコンF2(フォトミックAタイプ)のレンズマウント部分です。
F2の露出計連動レバー
ここで赤い矢印が「露出計連動レバー」といい、
先ほどの「露出計連動ガイド」と物理的に噛み合い絞りの情報を受け取ります。

問題の35mmレンズを、F2に無理矢理嵌め込もうとするとこうなります。
カニ爪干渉
レンズの「カニ爪」とカメラボディの「露出計連動レバー」がぶつかっています。

このカニ爪、今は機能していないので、外してしまえば良いのですが、
これが無くなるとオールドニッコールらしい外観が失われてしまいます。
それで、第一の改造点として、カニ爪の縁をビス穴いっぱいまで削り落としました。
カニ爪を削る
こうしてから付け直せば、「露出計連動レバー」とぶつかる事はありません。

また、もう一つの改造点として、
絞り情報をやり取りするための「露出計連動ガイド」を付け足しました。
下の赤い矢印です。プラスチック片を瞬間接着剤で付けました。
露出計連動部
設置位置は、同じ開放F値を持つAiレンズ24mm/f2.8に合わせました。
すなわち、開放F値からおよそ5段弱絞った位置です。

これだけで完成です。ニコンF2に装着してみます。
F2とオールドニッコール
連動ガイド部分を拡大してみます。
連動部拡大
きちんと噛み合っています。
同様にD600にも問題なく装着できました。

D600については、レンズ情報をカメラに登録する事ができます。
つぎのように、レンズNo.5に焦点距離と開放F値を登録しました。
レンズ手動設定
こうしておくと、このレンズを装着してD600で撮影した画像データに、
撮影時の絞り値と焦点距離を電子的に記録する事ができます。
下の写真で、「F5.6*」と「35mm*」とあるのがそれです。
撮影データ
「*」が付いてるのは、古いレンズ使っているね、とカメラが感心している印です。

こうして、オールドニッコールレンズを、取り敢えず
F2(フォトミックAタイプ)とD600でも楽しめる事になりました。

なお、この改造は私の手持ちのボディに装着するための最小限の加工です。
ニコンの他の種類のボディでも使えるようにするためには、
本格的な「Ai改造」が必要で、プロに頼むと八千円くらいかかるそうです。
まあ、今時、簡易にせよ本格的にせよ、
改造してまで50年前のレンズを使う物好きは、あまりいないと思います。

(実写例はこちら

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