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私はカメラの整体師(300円のミノルタX-700)2015年04月16日

"ミノルタ MINOLTA X-700"のジャンク品を300円で購入しました。
300円のミノルタ一眼レフ
シャッターが切れたり切れなかったりする故障品です。
何故そんなものを買ったかというと、
フォーカシングスクリーンの清掃練習のためです。

私はファインダーの見え方に気を使います。
でもメンテナンスをプロに頼むと何千円も掛かるので、時々自分でやります。
例えば、二眼レフのスクリーン清掃前。
C220清掃前
二枚の合わせ材の間に入った水分で、カビが発生。
これをバラして石鹸水で洗うと、次のように奇麗になりました。
C220清掃後
また、ニコンF一桁機の場合は、簡単にスクリーンを取出せますので、
次の写真のように固定枠からスクリーンを取り外し、石鹸水で洗浄すると、
ものによっては見違えるように奇麗になります。
ニコンのスクリーン

私が既に所有しているミノルタX-700は、
X-700
現在のところ快調に使えていますが、スクリーンの汚れが皆無ではありません。
でも、この機種は、素人によるスクリーンの清掃や交換を考慮していないので、
いざとなった場合にメンテナンスできる技術を身につけておきたいのです。
それで、その練習台として今回ジャンク品を入手した訳です。

その300円のX-700のファインダーを覗いてみると、
清掃前のファインダー
単なる埃のようですが、十分清掃しがいがあります。

早速マウント部からスクリーンを覗くとこんな具合です。
スクリーンをチェック
歯医者さんが、虫歯治療に来た患者の上顎を覗いている気分ですね。
実際に、くまなく状況調査をした後に、私が選択した修理工具は、
下の写真の先端がカーブした「先曲がりピンセット」、
いかにも歯医者さんで使っていそうな道具でしょう?
ピンセットで抉じる
この写真のように、
スクリーンと枠の間にピンセットの先端を差し込み奥方向へ押し込むと、
スクリーンの手前側の一辺がフリーになります。
これはスクリーンが手前の溝と奥の溝の間に、
けんどん式に嵌め込まれているからです。
そして、スクリーン本体手前側の突起をつまんで取出しました。
スクリーンを取出す
このスクリーンは幸いにもカビはありませんでしたので、
ダストブロワーで両面のゴミを吹き飛ばせば十分でしょう。
ブロワー
そして、清掃後のスクリーンをカメラに戻して、ファインダーを覗きました。
清掃後
だいぶ奇麗になりました。
しかし!、
赤矢印の位置に小さな引っ掻き傷を発見!
私が診断中に傷つけたようです。
歯医者失格!

さて、スクリーン清掃の実習には十分に役立ってくれたカメラ、
ついでにシャッターのチェックをして見ました。
確かに商品説明にあったとおり、切れたり切れなかったり、でした。
でも、何度か繰り返しているうちに、ある法則性に気が付きました。
フィルム巻上げレバーを回してシャッターをチャージした後、
レリーズボタンを押してもシャッターが切れない場合は、
しばらく放置していると、「カチリ」と小さな音がボディから聞こえるのです。
丁度、何か二つの部品が噛み合った時に生ずるような音でした。
その音がした後には、きちんとシャッターが切れます。

しばらく沈思黙考した私、突然!閃きました。
噛み合い方がちょっとずれてしまった部品同士の位置を、
ほんのコンマ数ミリ調整できれば直るのではないか、と。
そして、次の写真のようにカメラの両側を持って、
雑巾を絞る要領でひねってみました。
カメラの整体術
信じられないことですが、これで完璧に直ってしまいました。
連続して何回でも気持ち良くシャッターが切れます。
まるで、私はカメラの整体師のようですね。
この技術を磨けば、一年後には、故障したカメラの上へ手をかざすだけで、
あらゆる故障を直せるようになるかも知れません。

私の超能力を実証するために、試し撮りをすることにしました。
先日カビ取り修理を行なった100mmと35mmのレンズ二本を持って街へ!

広角レンズを通して見た高田馬場の真昼の風景。
広角レンズで

望遠レンズが切り取った高田馬場駅ガード下の手塚治虫
望遠レンズで1
そして神田川
望遠レンズで2

ちゃんと写っているでしょう?
そういえば、昔、テレビが映らなくなると側面や裏側を叩いて直してたけど、
あの頃の経験が役に立っているのかも知れません。

と、実はすべてがうまく行った訳ではなく、
この御老体のカメラには、もう一つの持病が隠れていました。
下の写真はフィルムを撮り終わったところです。
止まった枚数計
塗装が剥げた巻上げレバーの横で、撮影枚数を示す数字は[10]です。
そうなんです。
フィルムカウンターが壊れているらしく、何枚撮っても[10]から増えません。

これでは、残り枚数が分かりません....大変、困ります。
と、思いましたが、実は全然困らないことに気が付きました。
重要な記念写真などは今時デジタルカメラで撮るので、
私にとってフィルムカメラは遊びです。
「フィルム半分ぐらい撮ったかな?」とか、
「そろそろ終わりに近づいたかな?」程度が自分で感じられれば十分です。
なので、残り枚数を表示できないX-700も、当面は放置することにしました。
人間だって、自分の人生は残り何年、とか正確には知らずに生きてる訳だし。