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ニコンS用レンズ→ライカMアダプター2019年12月05日

前回)からの続きです。

前回紹介した" Amedeo Adapter "、
α7シリーズ用の「LM-EA7」と組み合わせると、
ライカMマウントのレンズがオートフォーカスで使えました。
そして、実はそれ以上に興味を惹かれた特徴は、
フィルムライカの距離計にも連動するようになる、ということでした。
ニコンSのレンズがM型ライカで使えるの?
NikonSが採用したコンタックス方式の連動距離計は、
ライカ方式とは別物のはずですよね。

その謎を解き明かすために、
まずはM型ライカの連動距離計のお勉強。
(基本的にはL39スクリューマウントのバルナックライカも同じです)
次はM型ライカの日本製カメラとして評判の高い、
ミノルタCLE用の標準レンズ40mmの側面写真。
ニコンレンズをフィルムライカボデに
左側に少し見えているネジ山が、距離調節用のヘリコイドです。
そして、これは左側(ボディの奥側)に寄っている状態です。
次はヘリコイドを繰り出して近距離に焦点を合わせた状態。
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ヘリコイドは右側に動いて、鏡胴の中に隠れています。
このように焦点調節の動作に連れてヘリコイドが移動し、
その動きがボディの「コロ」に伝わります。
コロとは次の写真中央の円筒形の部材ですね。
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この方式を図式化したものがありました。
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(出典:カメラレビュー別冊クラシックカメラ専科「ライカ型カメラ」
「レンジファインダーのメカニズム」金野剛志)

では、ニコンSの方式とどう違うのかというと、そんなに違いませんでした。
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これはニコンS2のマウント部分を覗いた写真ですが、
中央奥に、同じようなコロが見えていますね。
これに接しているヘリコイドが前後すると、コロも同調し、
連動距離計にその動きが伝わる、という機構は全く同じです。
ただし、そのヘリコイドが、
レンズに付いているのがライカ方式
カメラに付いているのがニコン(コンタックス)方式なんですね。

そして、このライカMレンズのヘリコイドとバヨネット爪を、
NikonSボディのマウント部のみと合体させたものが、
次の写真下の「アメデオアダプター」なのでした。
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この写真はアダプタの正面を見ていますが、
次のように側面から見るとヘリコイドのネジ切り部が見えます。
これはライカMレンズのヘリコイドと同じ形状ですね。
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では、ニコンSの標準レンズを嵌めてみましょう。
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次のようになります。Mマウントレンズに変貌です。
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この写真は無限遠にピントを合わせた状態なので、
ヘリコイドが最奥まで行っています。
次はレンズ部分を回転させて、近くに焦点を合わせてみます。
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鏡胴が右側へ繰り出された分、ヘリコイドが隠れています。
このように、レンズの回転に連れてヘリコイドが前後に動く量を、
ライカのそれと合わせているので、
M型ライカの連動距離計とうまい具合に連動するわけです。

こうして、ニコンS用レンズのうち、
「内爪方式」の標準レンズについては、
" Amedeo Adapter "と協調する原理が確認できました。
では「外爪方式」の広角・望遠レンズはどうでしょうか?
実は、外爪方式という分類は若干不正確で、
本来は「外爪内爪併用方式」と言ったほうが分かりやすいです。
というのは、外爪方式のレンズには、
ボディ側バヨネットの内爪(ということはヘリコイドとも)
と連動して回転する内爪も付いているのです。
次の写真がそうですね。
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アメデオアダプタを嵌めて見ると次の状態です。
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レンズとアダプタの内爪同士がしっかり噛み合っています。
これで、
レンズの距離環の回転
→レンズ内爪の回転
→マウントアダプタのヘリコイドの回転と前後の繰り出し
→コロの移動
→連動距離計の動作
の関連が理解できました。
次が「NIKKOR-P・C 1:2.5 f=10.5cm」にアメデオアダプターを装着して、
ニコンレンズをライカMマウントレンズに変貌させたところ。
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オタク感、満載ですね。

続く