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ライカのシャッター感2016年06月06日

前回)からの続きです。

"ライカIIIf"を分解してみて改めて理解したのは、
このシャッター機構が、そのまま"ニコンF"にも引き継がれていることです。
だから、ライカを分解中に撮った記録写真に、
ニコンFのシャッター機構の説明文を添えれば、
それで、フォーカルプレーン式シャッターメカニズムの解説になります。

試しに『カメラの修理&メンテナンス』(大関通夫氏著)から、
ニコンFのレリーズ機構の説明文を引用するとこうです。
「レリーズボタンを押すとスプロケット軸が下がり、下部の押しボタンクラッチが外れる。これはシャッターをフィルム送り機構から切り離し、走行可能にするためである。更に押し込まれると、底面のスプロケット軸戻り板ばねが下がって、その一部で先幕第1かぎを押し外す」
私は、この説明文を読みながら、以下の写真が示す部分の動作を観察して、
ライカのシャッターのメカニズムを理解しました。
バルナックライカのシャッター感

02

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蛇足ながら失敗談をひとつ。
前回のセルフタイマーの修理に際して、最初はバカな修理法を試みました。
それは、弱くなったタイマー作動バネの力でもシャッターが確実に切れるように、
上記写真の「先幕第1かぎ」を強制的にペンチで変形させたのです
(かぎの先端くちばし部分が、溝にそれほど深く入り込まないようにしました)
そうすることによって、確かにセルフタイマーは機能するようになりましたが、
今度は普通にシャッターボタンを押した時のフィーリングが、
とても悪くなってしまいました。
多分、「クラッチ」が外れるのと「先幕第1かぎ」が外れるタイミング、
これは実に微妙な調整がなされているものなのでしょう。
これが狂うと、ライカの絶妙なシャッター感が失われてしまうようです。
このバカな試みは直ちに中止し、元に戻しました。
戻ったから良かったようなもの、戻らなかったら非常に後悔したと思います。

そして、紆余曲折ありましたが、分解・清掃・修理?した後の現在は、
一応ライカらしいシャッター感(&シャッター音)で機能しています。
動画で示します。右から、IIf・IIIf(今回修理)・IIIgです。
最初は1/25秒(IIIgは1/30秒)の場合。

次は1/100秒(IIIgは1/125秒)の場合。

私が手がけた"IIIf"も、プロが整備した"IIf・IIIg"に近い音がしているでしょう?

続く