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ライカシャッターの露光ムラ2016年06月09日

前回)からの続きです。

"ライカIIIf"のシャッタースピードの調整は、
次の写真にある二つの調整ギアで行います。
ライカのシャッター速度調整
手前が先幕用のテンション調整ギア、奥が後幕用です。

「初心者向けライカIIIcIIIf修理写真集」では次のように教えています。
・両幕とも弱めに張った状態から1/1000秒が開くまで先幕のテンションを強めてゆきます
・次に1秒が正常に切れるまで後幕のテンションを上げます
・Bでシャッターを切ったときに両幕の強さが同じ程度であることを確認します。

この手順で調整したのち、ブラウン管を用いた簡易チェックを試みました。
以前、「PentaxSVの修理時」にやったのと同じ方法です。
02
これで、シャッターが正常であれば、次のような画像が撮影できます。
03
高速ではこの明るいスリットの幅が狭く、低速になるほど広くなります。
(シャッターを切るタイミングにより、このスリットが出現する位置は左右にずれます。)

今回の"ライカIIIf"については、目視で確認したところ中速では問題無し。
ただし、1/1000秒では次のような状況でした。(模式図です)
・スリットが右に出現したとき
05
・スリットが左に出現したとき
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この違いが何を意味するかというと、
シャッターの切り始めより、切り終わりの方が低速になっているということです。
切り終わりに向かって、スリット幅が広くなっていくので、
機構的に解釈すれば、後幕が少しずつ置いていかれる状況とも言えます。

まあ、中速では問題なさそうだったので、先日「試写」したわけですが、
試写の途中で、この速度ムラのチェックの意味で次のような撮り比べをしました。
おとめ山公園の「谷戸のもり」にて、
シャッタースピードを、1/1000から1/200まで変えて撮影したのです。
速度に合わせて絞りを変え、同一の露光量の写真となるようにしました。
その結果です。
・1/1000秒の場合
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・1/500秒の場合
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・1/200秒の場合
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1/1000秒の場合と1/500秒の場合は、確かに画面左端が少し暗いです。
(画像はネガで左右反転するので、チェック時の右端は写真では左端に相当)
それに対して、1/200秒の場合は均一な明るさになっています。
チェック通りの結果になるって、さすがドイツ生まれの機械は正直ですね。
国民性でしょうか?

実際のところは、1/1000秒が開かなくても気にせず使っている人もいますし、
1/1000秒はオマケと言っている人います。
試写の程度の露光ムラであれば、
素人修理としては許容範囲ではないでしょうかね。
それ以上を望むのであれば、やはりプロの修理に出すしかありませんが、
今回は、バルナックライカを分解することが私の主目的だったので、
また、気が向いたら分解して、さらに完璧な清掃と注油とか、
シャッター幕の張り替えなどを実施してみたいと思っています。
まだまだ遊べそうなジャンクライカ、2.5万円の値段は安かった?

(この項やっと終り)