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フルサイズでニコン105mm2013年02月01日

昨年、再入手したNikkor 105mm/f2.5(これは30年くらい前の製品か)、私が40年前に使用していたものと比較すると、
 1.金属のフォーカスリングがゴム巻きになった
 2.フードが内蔵されて全体的に小ぶりになった
 3.Ai化され、その後発売された最新の機器でも使用可能となっている
などの特徴がありますが、正月にF2に着けて撮影して見たところその持ち味は変わっていませんでした。

今度は上にあげた3番目の特徴を生かして、最新の機器(Nikon D600)で試してみる事にしました。
昔のレンズなので、当然ながら絞りもピントもマニュアルとなります。

次の写真は目白台運動公園の隣にある和敬塾の塀を撮ったもの。
学生時代の村上春樹さんも住んでいたそうです。
まず、塀の上の有刺鉄線
和敬塾の有刺鉄線
塀と樹木が一体化してました
和敬塾の塀

次に訪れたのは和敬塾南の新江戸川公園。
冬ながら日差しが強く、明暗の差の大きい写真となりました。
これはヤツデに光が当たっている所
ヤツデと光

次は園路沿いの擬木手摺。暗かったのでピントが合っているのは一点です
森の手摺

水飲み場。かなり明るい場所でしたが望遠なので背景はしっかりボケてます
水飲み場

公園西にある児童遊園。遊具に焦点を合わせて、背景の時計をぼかして見ました
遊具

デジタルの D600 とアナログ時代の名玉 105mm/f2.5。
この組み合せも非常に楽しいです。

パンは美、ラ・ブランシェ2013年02月02日

神田川の戸田平橋近くにあるパン屋さん、私の女房が良く買ってきます。
おしゃれなパン屋さん
お料理教室を主宰しているマダムがついでにパン屋さんも始めてしまった、
という事らしいです。

「アトリエ ラ・ブランシェ」で検索し、開店日時を確認してから行かれた方が良いです。
かなり気ままに営業日など決めてらっしゃる所が面白いです。
もちろんパンが美味しいからひいきにしているのですが、
HPに掲載されている料理やパンの写真がとても美味しそうに撮れているので、
私はそれにも感心。

「はきだめに鶴」というと周辺の方々に失礼になりますね。
でも、こんなお店が高田地区にもっと増えると良いなと思います。

下の写真、ライカを構えた私が右端にちょこっと登場しています。
お店も人も美しい

「ピンクのカーテン」(1)目白、上り屋敷編2013年02月04日

これは1974年に撮影した西武池袋線の線路です。
画面中ほどに、外部階段を持つ4階建てのアパート「メゾン目白」が写っています。
ここが日活ロマンポルノ「ピンクのカーテン」の舞台です。
ポルノの舞台1974年
という事を先日、偶然に知りました。

このようないきさつです。
ジョージ秋山の「銭ゲバ」や「浮浪雲」を愛読していた私は、やはり彼の漫画「うれしはずかし物語」が映画化(1988年 監督:東陽一)された時に見に行きました。
川上麻衣子が、ガードの甘めな女子大生を好演していて、期待以上の面白さでした。
そんな事もあり、先日WOWOWの番組欄に同じ原作者の「ピンクのカーテン」(1982年 監督:上垣保朗)を見つけた時、普段はポルノ映画などは決して見る事の無い私も、ちょっと見てみようという気になりました。

映画は、恋愛一歩手前の危険な関係にある兄(悟)と妹(野理子)が暮らすアパート(下の写真)を舞台に繰り広げられます。
ピンクのカーテン
題名通り、窓にピンクのカーテンがかかっています。
野理子を演じた美保純がこの映画によって一躍スターの階段を駆け上った日活ロマンポルノの傑作、と言われています。

映画評は今日のテーマではありません。
映画を観ていて私が気になったのは、画面に映る景色の妙な「懐かしさ」でした。
それも「懐かしい昭和の香り」という類いではなく「この景色、見た事ある!」
という感覚です。
話の筋は置いておいて、背景を注視すること数分間、そこに写っているのはまさしく目白の上り屋敷の風景だと確信しました。
そして私蔵写真を探ってみたら、最初の一枚が出てきたという訳です。

別の角度から、このアパートの外観を撮影して映画と比較してみました。
映画(上)/現状(下)です。まず北側から線路越しに。
メゾン外観北面
東側から
メゾン外観東面

懐かしい場所を同様に比較してみました。
アパート近くの山手線脇のガードを北と南から。
ガード南

ガード北
読売PR、婦人之友社、バーノーブルなどの看板が見えます。

また、次の場面は大変貴重です。
長崎道踏切と高田架道橋
手前の踏切は「長崎道踏切」、左手奥のガードは「高田架道橋」です。
踏切は2006年春に惜しまれつつ消滅し、ガードは無惨なコンクリートトンネルになりました。
これだけしっかり映像として記録されているものは少ないはずです。
私も昨年「長崎道踏切と高田架道橋」でレポートした事があります。

映画の中では、ピンクのカーテンのかかった窓を開けて、野理子が池袋のサンシャイン60を遠く仰ぎ見る場面が何度も出てきます。
サンシャイン60と高田架道橋
その画面の下の方にも小さく架道橋が写っています。
ガード脇の法面の緑に風情があります。
「昔に戻して!」と訴えたいです。
---(この項続く

夕暮れの早稲田松竹2013年02月05日

先日、四谷にある新宿歴史博物館の写真展を見て来ました。
「記憶の中の新宿 -昭和30年代を中心に-」というテーマでした。

私が東京での生活を始めたのが昭和40年代ですので、それより更に一昔さかのぼった景色が紹介されていた事になります。
そのため全面的には感情移入しきれなかったものの、一枚、特に気を引かれたのが早稲田松竹の写真でした。

学生時代、低料金で名作を上映する映画館が都内に何軒もあり、そこで過ごす数時間は授業よりも大切でした。佳作座、パール座、文芸地下、東急名画座などなど。
早稲田松竹開館は1951年だそうです。私たちとほぼ同世代なんだと改めて認識しました。

それで早稲田松竹周辺の写真を撮りたくなったのです。
今回はハッセルブラッドにTri-Xを入れて、昔風のモノクロに挑戦です。
良く行く早稲田松竹
レトロな雰囲気が素敵です。軒天の照明も何となく庶民的ですね。
そして、近くで見るとウィンドウ前に多分後付けの防護柵が。
きっと酔っぱらってガラスに衝突する学生さんが沢山いたんだと思います。

向かい側の歩道に渡って、映画館を正面から見ると、
屋根の波形が笑えます。
屋根が笑える早稲田松竹
「昔はモダンボーイだったんだろうな」って思えるお爺さんのようです。

隣を見ると停留所にバス待ちの女高生が。
バス待ちの女高生
乱雑に見えた早稲田通りですが、夕暮れの風景は悪くないな、と思いました。

「ピンクのカーテン」(2)池袋編2013年02月06日

---(前回)からの続きです。

映画「ピンクのカーテン」の撮影は、池袋駅周辺でも行われています。
何度も登場するのが「南池袋公園」です。
次の場面は、悟と野理子が駅側から公園に入ってくる所です。
公園中央にあった噴水越しに撮影されたようです。
南池袋公園とラブホテル
正面には西武百貨店の窓が写っています。
現在は波形模様の金属パネルが上貼りされて一寸モダンに見せています。
通り右側に「キンカ堂」の袖看板が見えます。
2010年にキンカ堂倒産後、池袋店は閉鎖され、今はパチンコ”Rakuen”となっています。

この公園周辺はラブホテルが多い所です。
私はかつて、そのホテルオーナーのご子息に数学を教えていた事がありました。
週に一度、家庭教師としてホテル近くのご自宅へ通ってました。
スポーツも勉強も頑張り屋のご子息は、疲れて眠気が襲ってくると
「先生、顔を洗ってきます!」と言って冷たい水で気合いを入れてきました。
色んな思い出があるので、この公園は見覚えがあるだけでなく、
個人的にも懐かしい所です。

この公園、整備工事のため来年まで閉鎖されています。
「名画」の舞台に相応しい公園であり続けるように。

颯爽と歩く野理子のバックに、
南池袋公園の緑とサンシャイン60が写っている場面があります。
ついでに大和証券も時代を超えて。でも看板の書体が変わってるか。
南池袋公園とサンシャイン60

このサンシャインも主要ロケ地の一つです。
サンシャインシティ屋外階段
階段奥の建物壁面に、WORLD IMPORT MART の看板が見えます。
まだ、輸入品=高級品、の感覚だった時代なのですね。
階段を上りきった所が屋上広場です。
そして高層部の脚もとがコリドーになっていて、そこの列柱を野理子がジグザグに走って遊んでいました。
サンシャインシティのコリドー
実は現地に行って確認すると、
方位の関係から、屋外階段に陽が当たるのは午後遅い時間、
一方、コリドー列柱の隙間から光が射し込むのは早朝でした。
普通に映画を見る時はそこまでは気付きませんが、監督やカメラマンやスタッフの皆さんは
色んな配慮をしながら映画を作っている事が分かります。

建物内では噴水広場が有名ですね。
インテリア改装後も、ほぼ昔のまま使われています。
サンシャインシティ噴水広場
地下1階の噴水広場を3階レストラン階の回廊から眺めたものです。

1978年巣鴨拘置所跡地にサンシャインシティが華々しく開業。
メインの建物であるサンシャイン60は、60階建て、約240mの高さを誇る。
当時の驚きは六本木ヒルズや東京ミッドタウン以上でしたね。
ヒロインの野理子にとっても、まさしくここは「サンシャイン」でした。

夜の池袋もあります。
池袋グリーン大通り
グリーン大通りです。
SEIBU と PARCO の屋上看板ですぐに分かります。

次は夜の池袋大橋でのシーン。
ここは場所を特定するのにちょっと手間取りました。
池袋大橋1

池袋大橋2
映画の中では、つらい場面です。
不倫関係とはいえ尊敬もしていた美容室経営者(見るからにアホ)に、
実は玩ばれていた事が明らかになり、荒れて酔いつぶれる野理子。
ストーリーにピッタリの場所です。
左を走るのは昔の赤羽線。右手道路の突き当たりは東武百貨店です。

こう言ってはなんですが、この辺りは潤いのかけらもなさそうな場所に見えます。
でも、大橋の北側は、昔は池袋マンモスプール、今は清掃工場と「健康プラザとしま」です。
お世話になった人も多いのではないでしょうか。
私も先日、定期検診のためバリウム飲んできました。
奇麗で気持ちいい施設です。職員も皆さん親切でした。
プラザの11階には温水プールがあり眺望抜群らしいです。
今度、天気の良い日に富士山が見えるかどうか確認しにいきたいです。

最後に、上映二年後の1984年版航空写真に関連施設を落とし込んでみました。
影の長さを見ると、サンシャイン60が一つだけ抜きん出ている事が分かります。
遠方に高いビルを仰ぎ見て、それで人間が勇気づけられる良い時代でした。
航空写真1984年
---(この項終り)