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キャノンデミdemiが二台に2013年05月21日

前回)からの続きです。

シャッターメカニズム解明用にもう一台買い足したので、
デミEE17が二台になってしまいました。
キャノンデミが二台に

よく考えると、実際に使うデミは多分一台きりなので、
この二台をバラして、良好な部品をアッセンブルするのが賢そうです。
レンズ、シャッターユニット、露光計、ファインダー、外装材
などに分解できます。
そして選び出した部分を集めて、
より良い一台を完成させる、いわゆる「にこいち」をやりました。
これを勝ち組とすれば、残りを集めて組み立てた物は負け組かな。

しかし、シャッターまわりの不具合のうち、
 2.低速側でシャッターが開いたままになることがある
 3.シャッターボタンを押し込んでもシャッターが切れないことがある
の症状は勝ち組にも、負け組にも残っています。
この機種の持病かも知れません。 

それで、素人がいじらない方が良いと言われている
スローガバナーの清掃に手を出すことにしました。
下の写真の右半分、金色の縦長のプレートで覆われた部分です。
ガバナー部分

幸いこの機種は、ねじを二つ外すだけでガバナーが分解できました。
そしてガバナーの歯車類を取り外した所の写真です。
ガバナー外し終わり

歯車類をベンジンできれいに洗浄してから元に戻しました。
これで、症状の2.のシャッターが開きっぱなしになる不具合は解消しました。

最後に残った症状の3.これは深刻です。
シャッターボタンを押してもシャッターが切れず、撮影できなかったら、
これはカメラとは言えないですよね。
でも、「窮すれば通ず」です。
シャッターの動作を、繰り返し観察しているうちに閃きました。
そして一カ所に注油しただけで完全に直ってしまいました。
それを記録しておきます。

症状2.と3.関連の図解です。
シャッター注油
シャッターがチャージされた状態でシャッターボタンを押すと、
上の図のシャッターレバーが左回転し、それに連動して
チャージレバーストッパーが右回転します。すると、
ストッパーに行く手を阻まれていたシャッターチャージレバーが
コイルばねの引っ張る力により左へ回転します。

これがシャッターが開くときの基本的な動きなのですが、
これまでは、チャージレバーの爪がストッパー先端に強く押し付けられていたため、
シャッターレバーの動きに連動するはずのストッパーが動きにくい状態になっていました。
その接触部分(上の図の黄色の丸)に注油すると、
この二つの部品間の摩擦力が低減し、正しく動作するようになったのです。

デミのこの症状はネット上でも取り上げられていますが、
有効な対処法を提示されてる方がいなかったので、
今回、その解決策としてまとめてみました。

さて、このようにして修理されたデミEE17、外装もオシャレにしました。
貼り革の交換です。
ここではちょっと無精して、プリカットの貼り革を買ってしまいました。
そしたら、色違いの貼り革がもう一台分サービスされていました。
「練習用」のおまけだそうです。
デミの貼り革

せっかくなので負け組のデミに、これを着せてあげることにしました。
そして、二台並んで記念写真です。
二台に貼り革
このピンク、笑えます。デミ夫人とでも呼びましょうか。

とはいえ、ピンクの負け組の方も、露光計以外は一応機能しています。
そして黒革の方、きれいに復活したデミは、
多分すべてが新品同様に生きていると思います。
これから、実際に撮影して確認するんです。
...(続く