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キクkiku16がライカと対面2013年10月11日

32年前の10月10日に撮影した写真があります。
思い出のキクkiku16

これは、「ミニライカのキク16」に載せた写真でもあります。
ここにちょっと写っているカメラ、この写真を最後に、
我家から消えてしまっていたのですが、先日ついに帰還しました。
私にとって、今年の最大の出来事です。

そして昨日の10月10日、きれいに磨いて記念写真を撮りました。
まず正面から。
キクkiku16正面

次の写真のように、なかなかのバックシャンでもあります。
キクkiku16裏側

右下のようなイエローフィルターが付いています。
キクkiku16とイエローフィルター

このフィルターはフード兼用です。
これを装着すると、凄く勇ましい表情になります。
フードを着けたキクkiku16

「そっくりさん」であるバルナックライカの”Leica ⅢG”と並べてみました。
キクkiku16とライカⅢGの対面
これをずーっとやりたかったのです。
実際に、この二機種は同時代に製造されていました。

このカメラ用のフィルムは現在製造されていません。
だから現像してくれるお店も、もちろんありません。
フィルムの製作も現像も自分でやるしかないですが、
そのうち手掛けようと思ってます。
いろいろ遊べそうです。

続く

kiku16のレンズをデジカメで使う2013年10月13日

前回)の続きです。

キクkiku16の仕様は、ネット情報によると下記です。
・使用フィルム:ミゼット、マイクロ判 10枚撮り
・撮像サイズ:14mmx14mm
・レンズ:SM(シングルメニスカス) f=25mm、絞りF8固定
・シャッタースピード:インスタント(I)1/30秒、バルブ(B)
・ファインダー:透過式ファインダー

しかし、絞りとシャッターに関して、
私が手にして使ってみた感じでは、
絞りはF16、シャッタースピードは1/50程度です。

まあ、それだけアバウトなカメラという事です。
また、このカメラ、面白い事にレンズを回すと簡単に外れます。
キク16のレンズを外す

いたずら心がくすぐられます。
いずれフィルムを入れて撮影する予定ですが、
その前にレンズだけを試してみたくなりました。
取り外したレンズを加工して、
オリンパスPEN E-P3などのm4/3用ボディに装着できれば、
このレンズ単体の描写力が試せるはずです。
というのは、kiku16のフィルムサイズは「14x14mm」。
これに対して、m4/3のセンサーサイズは13x17mmなので、
真四角に切り出せば「13x13mm」となってほぼ同じ大きさです。

早速工作開始です。
ボディキャップに穴を開けてレンズの台座とします。
純正のキャップを加工してしまうと勿体無いので、安い代用品を使います。
下の写真、左が加工後の代用キャップ、右が純正キャップです。
キャップに穴を開ける
このようにレンズが丁度はまる大きさの真円を開けるのは、
専用の工具を持たない素人には実に大変な作業です。
この穴開けの段階でほとんど挫折しそうでした。

次に、「絞り板」の作成です。
被写界深度を確保し、かつ光量を適正にするために必要です。
カメラ本体の穴の大きさを参照しながら三つ試作しました。
テスト撮影の結果、下の中央が良好でしたので採用決定。
キク16用絞り板
絞り板の中央の小さな穴はドリルで開けました。

そして組み上げ前のパーツです。
パーツ完成
左下から、レンズ・台座(裏面に絞り板を貼付け)・アダプタです。
このアダプタは、「Cマウント・m4/3変換アダプタ」というもので、
レンズとセンサー間の距離を調節するために使っています。
実際の手順としては、レンズを台座に嵌め込む深さを調節し、
更に、台座とアダプタの隙間を1/10mm位ずつ調節してピント位置を見ます。
デジカメは撮影結果をすぐ確認できるので便利です。

これが完成形です。
kiku16とオリンパスペン
手作りの愛嬌があるでしょう?
嵩張らないので、キャップ代わりに付けたまま持ち歩くのも楽しいです。

これを作るのであれば、下の写真のボディキャップを買う必要はありませんでした。
純正のボディキャップレンズなので5千円もしました。
ペンのボディキャップレンズ

フード&フィルターを取付けると、「出べそ」レンズになります。
出べそレンズ完成

実写例を以下に載せます。
中央部の解像力は、50年前のトイカメラのレンズとは思えません。

明治通りを走る都電。
都電
画面四隅のボケ方に注意!です。
さすが元祖トイカメラの味が出てます。

千登世橋風景。
千登世橋

鬼子母神風景。
鬼子母神

千登世橋中学校の壁。
千登世橋中学

学習院下のマンションの前庭。
学習院下マンション

最後に夜景。サンシャイン遠望です。
サンシャイン夜景

続く

アリスの暗室は0.03坪2013年10月15日

久しぶりにフィルムの現像をする事にしました。
何年ぶりか思い出せないくらいです。
まず、「フィルム現像スターターセット」というものを買いました。
パターソン現像タンク
機材は揃えても、フィルムは光に弱いですから、
作業に当たっては何らかの「暗室」環境の構築が必要です。

ちなみに私がこれまで体験した暗室は次の三つです。

1.中学校の暗室
階段の踊り場下の小部屋。天井が低く頭がつかえました。
写真部顧問の数学の先生が、学校に頼み込んで造ってもらったようです。
昼間でも薄暗い部屋でした、って暗室だからそれで当然。

2.中学校友人の親類宅にあった暗室
一坪ほどですが庭に独立して建てられていました。
L字型の作業机に、流しや引伸し機が整然と並び、
室に入れば直ちに作業が開始できる羨ましい空間でした。

3.自宅アパートの仮設暗室
「水場&台所」-「居間」-「寝室」
の三間続きの中央の居間を臨時に暗室にしました。
他部屋との仕切りの建具には、遮光幕を張りました。
そのため暗室作業中は、寝室に避難している女房はトイレに行けませんでした。
目白の風景写真はここで現像していました。

いずれにせよ、現在は暗室を持てるような状況にないので、
かわりにダークバッグを買いました。
ダークバッグ

撮影の済んだフィルムをこの中でリールに巻き込み、
現像タンクに入れてしまえば、後は昼光下で作業ができるようになります。
次の写真のように、バッグのファスナーを開け、
事前に必要な道具を納めた後、ファスナーを閉じ、
両側から手を入れて作業します。
ダークバッグの使い方

でもこのバックはペチャンコになってしまいます。
ぺちゃんこなダークバッグ
掛け布団と敷き布団に挟まれてモゾモゾやっている感じです。

それでこのようなものを作ってみました。
段ボールに穴あけ
購入した機材が納められていた段ボール箱の両側に穴を開けたのです。
これを先ほどのダークバックに入れておくと、
縦・横・高さとも約30cmの快適な作業空間ができます。
暗室完成

しかも、現像作業が終了したら、
畳んだダークバッグも含め、道具のすべてをこの中にしまう事ができるのです。
暗室道具のお片づけ
女の子が遊ぶ「リカちゃん人形」の箱入りセットのようです。

リカちゃんの連想で、ふと夢想した事があります。
フィルム現像には、現像・停止・定着のための各薬品が必要ですが、
それ以外に人体が小さくなる薬もあったら、
この箱は十分な広さの「暗室」になるな、と。
そう、「不思議の国のアリス」の「DRINK ME」ボトルです。
アリスのDRINK MEボトル

「不思議の国のアリス」は、こんな話で始まります。
ウサギ穴から地下に落ちたアリスは薄暗い部屋にたどり着きます。
部屋のテーブルの上には、「DRINK ME」と書かれた薬瓶がありました。
その薬を飲んだところ、アリスの身長は30cmほどになって、
カーテンの陰の小さなドアから美しい庭園に入る事ができました。
アリスと小扉
自分が小さくなれば、段ボールの箱は立派な「暗室」になりますね。

「不思議の国のアリス」の著者ルイス・キャロルは、
本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンという若い数学の講師です。
彼は友人や幼いアリス姉妹たちとの楽しいピクニックに行くと、
いつも少女達にお話をしてあげていたそうです。
そして、そのお話を書きとめて欲しい、とおねだりする少女の願いを聞き入れ、
文字・挿絵とも手書きの「手製本」を作ってアリスに進呈しました。
それが下の写真の「Alice's Adventures under Ground」です。
不思議の国のアリス外装

不思議の国のアリス手書き本文
これは私の愛蔵書ですが、もちろん復刻版です。(書籍情報社発行1987年)
(世界にたった一冊しかない原本は大英図書館にあり、
その値段は15万ドルだったそうです)

原本の巻末には、ドジソン自身が撮影したアリスの半身像が貼られていました。
Alice Liddelのポートレート
これは写真史上、最も魅力的なポートレートの一枚だと思います。
今から150年も前の写真ですが、おねだり好きな可愛い少女に向かって、
大きな暗箱カメラを構えたドジソンの気持ちまで伝わってくるようです。

続く

自家現像で高田の風景2013年10月19日

アリスの暗室」を使ってフィルム現像をやりました。

現像の手順は以下の通りです。
現像:処方通り、液を撹拌したり、タンクを倒立させたりして13分30秒。
停止:一般的に酢酸を使いますが、省略して水洗のみにしました。
定着:希釈液を注ぎ、撹拌したり倒立させたりして4分間です。
水洗:流水にて20分程度。最後に水滴防止剤の希釈液に30秒間浸けました。

そしてトイレにぶら下げました。
トイレでフィルム乾燥
ネガの仕上がりは、ちょっと濃すぎます。
という事は写真にすると、明るすぎるハイキー調になってしまいます。
作業中の液温上昇が思いのほか影響したようです。
でも、スキャニング時に修正可能な程度でしたので、一応合格。

2・3時間ほどぶら下げて乾燥させました。
そして、早速スキャニングです。
この過程で、下図のように「ヒストグラム調整」を行えば、
ハイキー調をノーマルな調子に変える事ができます。

これが調整前の標準画像です。
ハイキー調整中

下は調整後の画像です。濃淡のバランスが戻りました。
ノーマルに戻る
デジタル処理は結果をすぐ確認できるので、さすがに便利です。

久しぶりの自家現像フィルムから三枚選んでみました。いずれも、
・カメラ:Nikon F2
・レンズ:Ai nikkor 50mm/f1.4s
・フィルム:Fuji ACROS 100
です。

今回の撮影は、現像用のネタを作るのが目的でした。
だから被写体は何でも良かったので、取合えず高田馬場の風景にしました。
この「何でも良かった」の感覚が楽しかったです。
カメラを構え、シャッターを切ること自体を楽しみました。
40年前、目白の風景を撮影したときと同じ感覚でした。

作例1
裏道を下校する少年

作例2
裏道と女性

作例3
街角に小さな神社

(この項終り)

ミノックスMinoxで日本をみてみよう2013年10月21日

私の好むテレビ番組は「空から日本をみてみようplus」です。
進行役の「くもじい」と「くもみ」ちゃんの、
かけあい漫才のようなやり取りは最高の癒し系です。
それに、なぜか私が旅行に行こうと思っている場所を、
その直前に放送してくれるのです。伊豆とか伊勢とかそうでした。
逆に、既に行った場所を後から見るのも楽しいです。
教養番組としてもなかなかのものです。

この番組は、次のようなセリフで始まります。

もしもし、そこのあなた!
地面を歩く生活に疲れておらんか?
たまにはワシらと一緒に、
空から日本を眺めてみるというのはどうじゃろう?
見慣れた風景がいつもと違って見えたり、楽しいぞー。

このゆる〜い感覚がたまりません。

それで私も時々ミノックスMinoxフィルムで写真を撮ってみます。
いつもと違った気分で、最高にゆる〜い写真が撮れます。
そんな訳で、「ミノックスで日本をみてみよう」です。
もっとも日本といっても、今回は伊勢と目白だけですが。

伊勢神宮内宮正宮の脇階段
伊勢神宮内宮正宮の脇階段

内宮別宮の荒祭宮
荒祭宮

おはらい町のにぎわい
おはらい町
そういえば、「くもみ」ちゃんのモットーは「一日一じゅるる」だそうですが、
このおはらい町を歩くと、「三十じゅるる」くらいになってしまいます。

目白学習院下の風景
学習院下

日立目白クラブ
日立目白クラブ

目白ヶ丘教会
目白ヶ丘教会

薬王院
薬王院

おとめ山公園
おとめ山公園

続く