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世界初!キク16でカラー写真-12014年02月15日

「キクKIKU16」というカメラがありました。
キク16の正面
約50年前の子供用のおもちゃカメラです。
このキク16を現役に復活させるのが、昨年の私の大事業でした。

ところで、カラーフィルムが普及した頃は、このカメラ、既にこの世から姿を消していました。
つまりカラー写真とは無縁のカメラでした。
今回、大事業の延長線で、カラーフィルムを自分で作り、現像もやり、
キク16でカラー写真を撮る世界で最初の人間になろうと思いました。
そして苦労の末、出来上がった一枚が下の写真です。
キク16で撮影
パーフォレーションの穴が上方に残っている理由は追々述べます。

フィルムの製作は、前回の経験をふまえて次のような方法としました。
(前回とは「キクKIKU16用ミゼットフィルムの製作」です)
ちなみに、キク16で使用するフィルムはミゼット判という規格です。

材料は下記のものを使いました。
02
左から、
1.裏紙切り出し用の使用済みブローニーフィルム
2.35mm用カラーフィルム
3.ミゼットフィルム用スプール
そして、一番右が完成品の「ミゼット判カラーフィルム」です。
ブローニーフィルムと比べると、随分大きさが違いますね。

フィルムの製作図は下記です。
03
裏紙の長さは40cm、正味のフィルムの長さは20cmです。

フィルムの切り出しには、下の写真の秘密兵器を使いました。
04
これは、元々は35mm用フィルムからミノックス用のフィルムを切り出す道具で、
フィルムスリッターと言います。
そのスリッターに、ミゼット判用のカッターを追加しました。
白い色の部分がスタイロで作った付加部分です。
底面の白色部分はベース、上の白色部分中央にカッターを仕込みました。

製作手順は以下の通りです。事前に練習しているところを写真で撮りました。
(もちろん本番はダークバックの中で行います)
・スリッターにフィルムをセットして、
左端のドラムにフィルムの端部をセロテープで止めます。
05

・フィルム面に刃を押し当てます。
底面のベースとで挟んでフィルムに切り込みを入れます。
06
次は側面から撮ったものですが、
カッターの刃先がフィルムに食い込んでいるのが見えます。
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・そしてドラムを回して、フィルムを巻き取って行きます。
次の写真は巻き取り(切り出し)始めたところ。
08
フィルム幅の中央に切れ目が入っているのが分かります。
切り出したフィルムの幅は、数字上は17.5mmになります。
これは製作図で予定していた幅寸法に丁度良いはずです。
画面(14x14mm)の中にパーフォレーションの穴が掛かってしまいますが、
資源を無駄なく使ったことになるので、良しとします。

現像済みのフィルムの余りで試し切りをして、
スリッターの切り出し精度を確認してみました。
09
バラツキは±0.5mm程度でした。
これなら十分使えそうです。

そして出来立てのフィルムをキク16に詰めて、散歩がてら撮影してきました。
その撮影後のフィルムを現像タンクにセットし、定着まで済んだところが次の写真です。
10
一応、写っていそうです。世界初!感激の瞬間。

次は風呂場で乾燥させているところ。
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今、リアルタイムでソチ五輪のテレビ見ながらこれを書いています。
羽生結弦が金メダルですって。
フィギュア日本男子初か。こちらはホントに凄い。

続く

世界初!キク16でカラー写真-2(KITTYカメラ)2014年02月19日

前回)からの続きです。

キク16用のミゼット判フィルムを自作するには、
裏紙とフィルムを巻き付けるスプール(専用の軸)が必要です。
これは当然ながらもう市販されていませんので、
古い50年前のミゼット判フィルムをオークション等で入手してバラすか、
ミゼット判用のカメラ(普通これに一本付いている)を見つけなければなりません。
私は、たまたまオークションに出ていたカメラを格安で買いました。

届いたカメラをキク16と並べて見ました。
KITTYカメラとキク16
”KTTY MADE IN JAPAN”と印刷されています。
1940〜50年ころに日本で発売されていた”ヒットタイプ”と呼ばれるカメラの仲間です。

これには何故かスプールが二本入っていました。
KITTYカメラと裏蓋
ラッキー!です。
前回の製作法でフィルムを切り出すと、一度に二本分でき上がるからです。

そしていよいよ撮影。
キク16の方は以前デジカメ用にレンズを改造して試したことがあります。
今回も、おもちゃカメラとしては随分しっかりとした写りです。

次の二枚がそれです。
02

03

そしてカメラを入手すると、どんなカメラでも写してみたいのが人情。
キク16とKITTYカメラの撮り比べをして見ました。
フィルムも二本作ったことですし。

まず「新井薬師道ガード」を
東側からキク16で
04新井薬師道ガード
西側からキティーカメラで
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このガードに隣接する「椿の坂」を
坂上からキク16で
06
坂下からキティーカメラで
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結構な画質差がありますね。
でも昔のおもちゃカメラと思えば、KITTYカメラの色の滲み方も可愛い気がします。

ところでKITTYカメラで撮影した中に、赤色にカブってしまった画像がありました。
08
これは思い当たる節があります。
この手のカメラは、フィルム巻上げを手動で、裏蓋の小窓を見ながら行うのですが、
その時にこの小窓に直射光が当たってしまったのです。
小窓に嵌った遮光用の赤いプラスチックでも防ぎ切れなかったようです。
その僅かに射し込んだ光に、フィルは敏感に反応してしまいます。

その点、キク16は良くできています。
下の写真で左側がキク16、右側がKITTYです。
09
キク16には、コマ数確認が済んだら、小窓を塞いでおけるように、
スライド式のカバーが付いています。
これは初代機にはなく、私の持っている「キク16-Ⅱ型」で改良されたそうです。

さて、世の中にはこのような所謂「サブミニチュアカメラ」を趣味としている方がいらして、
その方達のサイトで多くの情報を入手できます。
ミゼット判カメラとしても70種以上の名前がリストアップされています。
でも、何故かこの「KITTYカメラ」の情報は皆無でした。
どこが造ったのか、いつ発売されたのかも分かりません。
70種類のリストにも名前すら載せてもらえてません。
最初の写真に写っているように、MADE IN JAPANの表記があり、
間違いなく日本製のはずです。

”KITTYカメラ”で検索すると、「Hello Kitty ハローキティー」ばっかりでてきます。
こちらは1974年にサンリオが生んだキャラクターですよね。
我家の娘のグッズや服でたくさんお目にかかりました、というよりも買わされました。
最近はそのキティちゃんのデジカメもあるとのこと。
そうすると、私が偶然入手したこのカメラは、
キティーちゃんデジカメのお母さんでしょうか。
超レア物かも知れません。

ちなみにハローキティーには誕生日もあるんですね。
11月1日だそうです。さそり座だ!似合わな〜い

(終り)

39セントの不思議なカメラ2014年02月21日

ミステリーゾーン(THE TWILIGHT ZONE)がついに第13巻まで発売されました。
ミステリーゾーン第13巻発売
これまで同じ出版企画が二回ありながら、
それぞれ第4巻、第10巻で力尽きたことを考えると、大幅に記録更新です。
隔週の水曜日、本屋さんに買いに行くのが楽しみです。

その第13巻に不思議なカメラのエピソードがありました。
タイトルは「奇妙なカメラ(A Most Unusual Camera)」
こんな話です。
盗みを働く男女二人が、古美術商のお店から骨董品を多数盗んできました。
翌朝の新聞に、盗まれた物は、
・明王朝の壺二つ
・ルイ14世の燭台
・ピカソの油絵三枚
などと発表されますが、実は偽物ばかり。
ガラクタをつかまされて男は腹を立てます。
その他に盗品リストでは無視された時代物のカメラもありました。
盗品カメラ
フィルムを入れる所もなく、見るからに古物、今で言えばジャンクです。
古びた暗箱
「こんなものは、20年前に39セントで買えたぜ!」
と怒鳴った後、男は冗談まぎれにカメラを手に取り、
連れの女性を窓際に立たせて、シャッターボタンらしき物を押します。
しばらくするとカメラから手札大の印画紙が排出されます。
そこから不思議な物語の始まり.....
いつもながらロッド・サーリングの脚本は素晴らしいです。

私が興味を持ったのは、そのカメラのスリットから印画紙が出てくる様子です。
これがまるでポラロイドです。
このエピソードがCBSで初めて放送されたのが1960年12月16日、
その約10年前にポラロイドの初代機が発売されています。
ロッド・サーリングはポラロイドを見て、或は実際に使って、
このエピソードを構想したに違いありません。

ポラロイドと言えば、1980年代に当家でお世話になっていた歯医者さんは、
予防診療に行く度にポラロイドで撮影してくれました。
色あせてしまったけれど、30年前の写真が数枚、
日付も記入されていて、これがなかなか良い思い出写真です。
ポラロイド写真

ポラロイド社はデジタルへの取り組みが遅れて、2001年に倒産。
多くの人々の幸福の瞬間を「思い出」として記録したポラロイドカメラ自体が、
今や思い出になってしまいました。

一方、最近は富士フィルムの「チェキ」のように、
その場でプリントが出てくるカメラが、女子会などで密かなブームだそうです。
そういえば、「撮りたい時が見たい時」とかいうCMがありました。
宴会に参集した若い子たちが、プリントを見ながらはじける様子が目に浮かびます。

でも、その子たちが思わず凍りつくような写真が出てきたら面白いと思いませんか?
富士フィルムでもソニーでもいいから、そんな「奇妙なカメラ」を作らないかな。

上り屋敷で布団干し2014年02月23日

先日夕方、上り屋敷周辺を散歩していたら、以前注目したマンションが完成間近でした。
パークホームズ南側エントランス

三井不動産の「パークホームズ目白ザ フォレスト」ですね。
昨年の5月には、まだ次のような状態だったのです。
昨年の様子

それが今はこうです。外部は全て出来上がってます。
ほぼ完成
5階建ての全71戸と規模は大きくないので、造り始めると早いです。
入居予定は、もう来月だそうです。

このマンション、昨年7月に即日完売したそうです。
場所が良いから人気になるのも当然ですね。
そして、入居がまだなのに、早くも賃貸に出ていました。
家賃28万円/月ですって。
私が40年前にこの近くで借りていたアパートの家賃の丁度10倍です。

マンションのベランダからは南側の公園が次の写真のように眺められます。
南側の上り屋敷公園
写真中央の樹木の向こう側に私の住んでいたアパートがありました。
今はワンルームマンションに建替えられているのが見えます。

パークホームズ目白に住む人が、この公園で子供を遊ばせると、
自分の庭で遊ばせているように見下ろせて便利でしょうね。
しかも、ベランダは南向きなので日当りも良さそうです。
陽の当るベランダ
こんな風に、冬の午後4時頃でもお陽さまが当っています。
ここに洗濯物や布団を干したら、良く乾くでしょうね。
もっとも、最近のマンションはそれを禁止している所が多いからダメかな?

私は、『太陽の光を浴びてふっくら暖かくなった布団』でぐっすり眠ることが、
人生の最大の幸福と思っているので、ベランダの物干規制には反対です。
小賢しいデベロッパが作り上げた規約案に過ぎないのでは?

40年前のアパートでは、何でも干し放題でしたよ。女房も干せます。
昔の布団干し

こうしてぬくくなった布団に腰掛けるのも、とても気持が良かったです。
思わず笑顔になります。
笑顔になります
家賃は1/10ですが、幸福度は10倍でした。

続く

吉祥寺で布団干し2014年02月25日

前回)からの続きです。

目白での快適な生活の後、80年代は吉祥寺で暮らしました。
木造モルタルのアパートから、鉄骨ALC造のマンションへの引っ越しですから、
住まいの『格』は上がったことになります。
階も2階から、3階建ての3階へ上がりました。

しかし、私の心配は「布団干し」でした。これまで、
目白で布団干し
このように気持ち良く布団を干せたのに、
新しい住まいは東向きの狭めのベランダしかありません。
まあ、家庭の事情で引っ越すので、やむを得ないと納得しました。

ところが、何と驚いたことに、マンションの屋上が使えました。
大家さんのご好意で、屋上の鍵を貸与されたのです。
(今だったら鍵の貸しっ放しは保安上の問題で不可能でしょう)
なぜか我家がほとんど独占的に使っていました。
そして、屋上には立派な布団干しが用意されていました。

だから、掛け布団も、
吉祥寺で掛け布団干し
そして、敷き布団も、
吉祥寺で敷き布団干し
干し放題だったのです。

『太陽の光を浴びてふっくら暖かくなった布団』でぐっすり眠ることが、
人生の最大の幸福と思っている私には、この上ない環境でした。
しかも周辺は下の写真のように、
3階建ての屋上から見下ろせるような低層の住宅がほとんどでした。
屋上から見える低層住宅
1980年代初頭の吉祥寺です。

深夜に屋上の床に寝転んで、夜空を見上げると星がきれいに見えました。
繁華街の照明などが届きにくい場所だったのですね。
昼に「干し」、夜に「星」でした。

(終り)